あがいた先で見つけた、カジュアル×モードの自分らしいバランス感 hodos annaさん #Z世代のスター発掘

 

SNSでの競争がどんどん激しくなっている近年。デジタルネイティブ世代の若手美容師たちは、どんな武器を持って激戦を勝ち抜いているのでしょうか?

今回は、hodos ephemera(ホドス エフェメラ)のIto Anna(イトウアンナ)さんが登場。計算し尽くされたバランスで、カジュアルでヘルシーなのにどこモードな雰囲気を感じさせるスタイルを次々発信する注目の若手スタイリストです。

確立されたブランディングの原点を尋ねると、返ってきたのは「自分がいいと思ったものは、ダサいんだと知ったこと」という意外な答え。一時は、自分の思う「かわいい」を信じられなくなってしまったというannaさん。葛藤を経て、自分らしい世界観を見つけるまでの道のりを伺いました。

 


 

憧れのサロンを受けることすら叶わなかった

 

 

─annaさんが美容師を目指したきっかけは?

 

ある有名店のスタッフさんとの出会いです。地元・長野の商業高校に進学したものの、やりたいことが見つからないまま過ごしていた頃。友人に誘われて都内のファッションイベントに行ったら、モデルハントの一環で美容師さんに声をかけてもらいました。

その時に、その方が働いている美容室ではヘアショーをやっていることや、芸能関係者がたくさん通うサロンだと聞いて、自分が知っている美容室とは違う世界にカルチャーショックを受けたんですよね。そこから興味が湧いて、美容師になって自分もあそこで働きたいと思うようになりました。

 

─では、その有名店への就職を目指して美容学校に?

 

はい。地元の美容学校へ進んでからも、何度も東京に通い詰めたほど夢中でした。ただ、新卒で入社したのは別のお店です。

私はちょうどコロナ禍真っ只中の2020年に就活をした世代。当時は、第一志望の有名店に限らず、どのサロンもリクルート情報がなかなか上がってこなかったんですよね。

 

 

9月ごろにようやくいくつかのサロンが募集を始めましたが、その時点でも私の志望サロンはなんの情報も出ていませんでした。ギリギリまで待ったものの、結局年末になっても募集はかからなかったんです。美容師として働くなら絶対に上京はしたかったので、一度諦めざるを得ませんでした。

 

結果、新卒入社したのは、都内を中心に店舗を展開している大手トレンドサロンです。そのお店はアカデミーがあって、週に3日はアカデミーで練習、残りの日は配属店舗でサロンワークという形でした。

 

─その後、1年ほどで次のサロンに移られたんですよね。

 

はい。1社目はベーシックを大事にしていて、技術チェックで重視するのは「切れているか、切れていないか」「左右対称かどうか」などの正確性でした。もちろん、今となってはそれがどれほど大事なことだったのかよくわかります。

ただ、私がずっと憧れてきたサロンは『女性像』を大切にするお店。その世界を見て育った私としては、『ここにこの毛があるのが可愛いよね」とか「前髪の質感がいい」とか、そういう細かなニュアンスや表現の部分を見てほしい気持ちがあったんですよね。そういう小さなギャップの積み重ねで、新しい環境を探し始めました。次に入社したのは表参道にある個人店です。私が憧れていた有名店から独立された方が出したサロンでした。

 

「センス」を1から叩き込まれたアシスタント期間

 

 

─どういった経緯で入社されたのでしょうか?

 

もともとそのオーナーに髪をお願いしていて、1年目の年末頃にサロンに行った際、独立の話を伺いました。それとなく採用について聞いてみたら、「アシスタントを採るかは分からないけど、もし出たら1番に応募してね」と言われたんですよ。冗談混じりの会話だったかもしれませんが、それがすごく嬉しくて。募集が出た瞬間に履歴書を送ったのを覚えています。

 

ありがたいことに入社が決まり、アシスタントとして1から学び直すことに。1社目でも現在のhodosでもたくさんのことを学んでいますが、自分の美容師としての基盤は、2社目である前社で築かれた感覚があります。

 

 

前社のオーナーは、まさに「ここにこういう毛があったら可愛いよね」という感覚を教えてくださる方でした。ヘアデザインはもちろんのこと、サロンに置いてあるオブジェの向きや、カラーを塗る時のハケの使い方一つにも意味があることを教わって、目から鱗が止まらない日々(笑)。

もちろん、何がおしゃれで、何がおしゃれじゃないかという問いに正解はありません。でも、私が思う“おしゃれ”を作る人たちが言う「これは良くて、これはダメ」という判断は、私にとっては絶対的な『正解』に思えてしまって。そのバランスを一から叩き込まれた毎日でしたね。

 

─大変さと楽しさは、どちらが大きかったですか?

 

大変さです(笑)。実は入社後の半年ほど、自己発信をするのが怖くなった時期がありました。

今でも覚えているのは、カットレッスンが始まった時のこと。私は、技術どうこうの前にまず、イメージ写真の提出からつまずいたんですよ。しかも、何枚か提出したのに全てボツ。

 

 

「なんでこの写真を選んだの? これはカットじゃなくて、モデルさんが可愛いんだよね?」とか、「この写真に近いスタイルで可愛い写真、世の中にもっと沢山あるよ」とか。そこでようやく、自分が見てきたもの、1年目の時に「これがいいよね」と言われてきたものって、感度がいい人から見たら全然良くないし、なんならダサいんだ、と気づかされたんです。

その積み重ねで、自分の中の「かわいい」に自信がなくなって、早くこのお店にふさわしい人にならなくては…と萎縮してしまった時期もありました。

 

毎日必死で過ごして、自分でも「良い・悪い」の判断ができるようになったのが入社して1年経った頃。そこからようやく、ヘアに対してアドバイスをもらえるようになりました。自分としては、そこでやっと普通のラインに立てたという感覚でしたね。

 

>自分の「好き」を見つめ直して、答えが見つかった

 

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