二十歳の頃、どう過ごしてた? イッシキケンタさんの二十歳の頃。

─お店の方は、快く送り出してくれましたか?

 

応援してくれる人もいたし、心配して止めてくれる人もいましたね。関東で育った人たちには分からない感覚かもしれませんが、東京で、自分一人の力で暮らし始めるって、地方出身者からするとものすごいことなんですよ。憧れもあるし、怖いところっていうイメージもあるというか。
だから「もっとお金を貯めてからにしたら?」とか「もうちょっとこっちで頑張ってからにしたら?」と心配されることは多かったです。カリキュラムの進みも早い方だったので、期待してくれていた部分もあったのかもしれません。ありがたいなとは思っていましたが、そういう周りの反対を押し切って、段ボール1箱だけ持って上京してきました。

 

 

─アシスタント時代の失敗談、つまずいた経験はありますか?

 

もちろんありますよ。ある時、店長指名で通われているお客さまのシャンプーに入ったことがあるんです。その方はちょっと厳しい方で、毎回決まったアイテムを使わないといけないし、決まった手順で施術を進めないといけなくて。僕はそれをよくわかっておらず、いつもと違うシャンプー・トリートメントを使ってしまったんですよね。

そうしたら、シャンプー台を起こしたタイミングで「何つけたの?」と聞かれて…。使ったアイテムをお見せしたら「匂いが違うし、私が使うのはそれじゃない」と仰って、僕がご案内をする前にスタスタ…と席に戻ってしまいまして。店長に「もうあの子に触らせないで」と指示が出て、僕はその日から、その方の視界にも入らないように気をつけながら働くことになりました(苦笑)。

 

─視界にも入らないように、とは…!?

 

僕の姿が見えると気分を害してしまうので、鏡に映り込んで視界に入ったりしないように、その方がご来店中はちょっと遠回りしたりしていたんです(笑)。

 

 

それから1年ほど経ち、店長とも話して、再チャレンジすることに。「以前、こういうことがあったのですが、もう1回シャンプーを任せてもらえませんか」とお願いしに行きました。その結果気に入っていただけて、そこからシャンプー指名をいただけるようになったんですよ。

 

─今振り返って、あの頃、もっとこうしておけばよかったと思うことはありますか?

 

ないですね。例えば、美容学校に入るタイミングで東京に来て、頑張って、新卒で有名店に入って…みたいな人生を想像したこともあります。でも、今の人生の方がいいなと思うんですよ。
なにも持たない状態で東京に来て、自分で考えて行動して、人生を切り開いてきたという自負がある。それはやっぱり、この道だったからこそ得られたものだと思いますし、全てが自分の糧になっていると感じるんですよね。

色々な経験ができたし、それによって視野が広がって、人としても成長できた気がするので、後悔はありません。地域密着のサロンで働いたことも、今、こうして表参道でオーナーをやっていることも、どちらも経験できたことが僕には大きかったと思います。


強いていうなら、すごい殴られるとか、めちゃくちゃパワハラとか、とんでもなく理不尽な環境に置かれたことがないので、それはちょっと経験してみたかったなっていう気持ちはありますね(笑)。

 

二十歳のみんなへ

 

 

最近の若い子は、頭がいい子が増えている分、考えることが先行しがちな気がします。それを見ていると、頭でっかちになって色々考える前に、1時間考えるなら1時間動いた方がいいんじゃないか?と思うことがあります。なにも考えないでとにかくやればいい、という意味ではないですよ。例えば、練習するときに「どうしてこうなるのか」と考えながらやることはすごく大切です。


でも、練習するかどうか、なんの練習をするかを1時間考えちゃうような子が多い気がするんです。きっと「損したくない」という意識がすごく強いのだと思いますが、結果的に、それによって練習する時間をロスしてしまっているという、本末転倒な感じになっていることも。

だから、まずはアクションを起こすこと・動くことを大事にして欲しいなと思いますね。考えて手を止めてしまう子が多いってことは、動いたら一歩リードできるということだし、若いときこそ動いたもん勝ちだと思う。みんな、失敗することをすごく嫌がるけれど、反省さえすれば失敗しても全然いいんですよ。なんとかなるから大丈夫。明日は絶対に来ますから(笑)!

 

★Extra Contents

お金がないアシスタント時代、よく食べていたものは…?

 

 

(文/岩木日向子 撮影/菊池麻美)

 

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