二十歳の頃、どう過ごしてた? イッシキケンタさんの二十歳の頃。

 

成人して、大人としての第一歩を踏み出す年齢であり、多くの美容師さんにとっては、美容師人生のスタートでもある二十歳。今、業界で活躍するみなさんは、当時どんなことを考え、どんな日々を過ごしていたのでしょうか?
今回は、nenen(ネネン)のオーナーを務める、イッシキケンタさんに二十歳の頃のお話を伺いました。

 


 

二十歳の頃、どう過ごしてた?

 

(二十歳当時のお写真は、編集部たっての希望でこちらをご提供いただきました!)

 

─イッシキさんが美容師を目指したきっかけは?

 

僕は京都の田舎出身なのですが、あまりにも田舎すぎて、職業選択の幅がなかったんですよ。大学に行っている友達はほぼいなくて、高校を卒業したら働く人が大多数。家の近所でガスを運んだり、勉強ができる人は街の役場に入ったりと、生活に根ざした身近な職業から進路を選ぶのが当たり前の世界でした。僕は叔母が美容師で、放課後に叔母の美容室で友達と集まったりしていたこともあり、「この中なら美容師かな」と消去法のような形で仕事を選びました。

 

それもあって、僕は経歴が少し特殊なんですよ。高校を卒業すると同時に大阪の美容室に就職して、通信で美容学校に通いながら免許を取得しました。ちなみに、通信だと3年で免許が取れるのですが、僕は国家試験に一度落ちているので、美容師免許を取るまで4年かかっています。ここまでのお話ですでにお分かりいただけるかもしれませんが…22歳頃までの僕は結構、ちゃらんぽらんでした(笑)。

 

 

─意外です…! アシスタント時代は、どのように過ごされていたのでしょうか?

 

地元を出て就職したのは、地域密着型のサロンです。スーパーの2階にあって、白髪染めのおばあちゃんや買い物帰りの主婦の方がきてくれるようなお店で働いていました。
正直、最初は美容師という職業自体に高い志を持っていたわけではありませんでしたが、自分に任された仕事をやり切ることにはポリシーがあって。学生時代のバイトなども人一倍真面目にやるタイプでしたし、サロンでの仕事も、かなり力を入れてやっていました。

当時、お店の鍵は店長と副店長しか持っちゃダメっていうルールがあったんです。でも僕は、どうしても朝早く行って練習がしたかったので、代表に直談判しに行って、1年目から特例で鍵を持たせてもらっていました。朝は5時くらいに行って2時間練習して、夜も残って練習して、次の日が休みだったら、寮に帰ってからも朝まで練習して…とかなり熱心にやっていたと思います。

 

 

─すごい…! なんとなく選んだ道だったのに、そこまで頑張れたのはなぜでしょうか?

 

性格的に、自分がやっていることや選んだ道を正解にしたいという気持ちが強いんです。一度決めたことは絶対にやりきりますし、選んだものを好きでいる方がかっこいいと思っているタイプ。これまで、バイトや部活なども途中で辞めたことは一度もありません。
だから最初は、「この道を選んだのは自分だから、好きでいるべきだ」とある意味で自分に暗示をかけながら働いていたんです。
でも、もともと人が好きなので、お客さまとお話しするのも楽しかったですし、練習した分技術が身に付く嬉しさを感じ、美容師の仕事にどんどん惹かれていきました。早く技術者になりたくて、先輩のカリキュラムに追いつき、追い越すくらいのペースでレッスンを進めていた記憶があります。

 

─それに加えて、通信で通っていた美容学校の勉強も?

 

……すみません。勉強は、ほぼやっていなかったです(笑)。学校に提出するワークがあったんですけど、「ご飯奢るから!」とか言って、友達に全部やってもらっていました。本当に最低ですね…! 

 

 

国家試験自体も、現場で身につけた知識や経験で乗り切れるだろう、と思っていたので対策はほとんどしませんでした。実際、カットやワインディングはサロンのレッスンで教わっていたので、試験の課題も難なくパスできたんですよ。1回落ちてしまったのも、通信で提出するべき書類が足りておらず、受験資格がなかったことが原因でして…。必要なことはサロンで学べると考えていたので、通信のスクーリングなどは、正直だいぶサボってしまっていたと思います。必要な日数の、三分の一に満たないくらいの回数しか出席していませんでした。本当に良くないですね。

 

─それでも、無事に卒業されたんですよね…?

 

自分でも不思議ですが、卒業できました(笑)。なぜ卒業できたのかは、いまだによく分かっていないです。
僕は学校にほとんど行かなかった分、技術はもちろん、社会人としてのマインドや考え方も含め、1社目で育てていただいた部分はとても大きいと思っています。教育がしっかりしたお店でしたし、お客さまのことも大好きで、尊敬できる先輩方に囲まれ、とても恵まれた環境だったなと感じますね。

それこそ、美容業界とはどんなところなのか?を学んだのも、そのサロンにいた頃。普通に美容学校に通う人たちは、学生のうちに「どのサロンが有名なのか」「クリエイティブがすごいのはどこなのか」「メンズサロンで有名なのは…」と、自然と知識をつけていきますよね。僕はその段階を踏まずに就職してしまったので、しばらくは何も知らないまま働いていたんですよ。

 

 

入社して数カ月経った頃、ふと気になってサロンに毎月届いていた業界誌を見たら「うわ、かっこいい!」と衝撃を受けて。毎月雑誌を読み込むうちに、「どうして自分は、これを見る側なんだろう?」という思いが芽生えたんです。
ここに載っている人たちは出る側で、自分はそれを見るだけ。この差はなんだろう?と考えたとき、東京に行くしかないと思うようになりました。その思いは変わらず、通信を卒業して免許を取ったタイミングで、就職先も決めずに上京しました。

 

>段ボール1箱だけを持って上京。周りの反応は…。

 

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