美容師監修の日本製品「恋する珠肌はんどくりーむ」がアメリカでの成功を掴むまで

WEBでの初回販売分は1ヶ月もしないうちに見事完売

 

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—1年をかけて実際に商品が販売されたときはどう感じましたか?

 

星野さん:ニューヨークの本店、サンフランシスコ、ラスベガスの3店舗に加え、バーニーズのWEBサイトでも販売されたのですが、販売開始以降、私のなかではハンドクリームがいつも気になる存在となっていたので、毎日WEBサイトをチェックしていましたし、バイヤーにもセールスの動向について聞いたりしていました。そして結果的に、WEB販売は1ヶ月もしないうちに初回納品分が完売しました。

 

販売にこぎつけるまでには、交渉が難航した場面も多々ありましたが、バイヤーのみなさんが「この商品は絶対に売れる」と最後まで信じてくださった結果、販売が実現したので感慨深かったですね。kyomioriの担当者の方にも販売の様子を伝えたところ「鳥肌が立ちました」ととても喜んでくださいました。この成功が、次の新たな商品を紹介するいいきっかけにも、自信にもなったと思います。

 

—最後に、国内だけでなく海外でも活躍したいと考える美容師にアドバイスをお願いします。

 

星野さん:ニューヨークの美容師には、「美容師はこうあるべきだ」という美容師像の固定概念がなく、「美容師の仕事×自分ならでは」をテーマに働いています。私の知る美容師には、例えば高級サロンに勤めながらそのブランド力を使って地元でサロン経営をしている人もいれば、リゾート地の物件を購入して不動産投資をしながら美容師をしている人もいるし、セレブリティのスタイリストでありながら、毎週日曜はホームレスの方に無料カットをしている美容師もいたりと、多様な働き方をしている方もいます。

 

ですので、みなさんもまずは今ある固定概念から自分を外して、自分が使命感を抱くことやわくわくすることなど、「自分ならでは」を心掛けてみると、美容師の可能性が無限大に広がって面白くなるのではないかなと思います。

 

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ニューヨークにいるとさまざまな国の人々に出会う機会がありますが、みなさん自分の国を愛し、誇りに思っているなと感じることが多く、本当に素敵なことだと思います。私たちも日本を愛し、誇りに思う気持ちを持ちながら、今自分がいる場所で結果を出し、そこで「自分ならでは」を心がけることができたら、国内でも海外でも、まだ誰も描いたことのないチャンスの扉が必ず開いていくと思います。

 

日本の美容師の声から生まれ、世界レベルでの高い評価を勝ち取った「恋する珠肌はんどくりーむ」。本当によいものは国を問わず通用する、という証明がされたことで、今後も日本発の美容技術や製品が、どんどん海外へと広まっていくかもしれません。

 

プロフィール
株式会社kyomiori

和のエステ及び、和のコスメや教育を取り扱う総合ブランド。美容や美容師育成施設における教育などを長年培ってきたノウハウを生かし、世界中に自慢したい「日本のよい物」を和の文化の中心である京都から伝えていきたいという願いのもと、古きよき伝統と革新的な技術、双方を柔軟に取り入れた商品開発を行う。
プロフィール
星野 利英子(ほしの りえこ)

新潟生まれ。15歳で渡米。2004年から英国発の国際美容技能証明の普及活動を通して、理美容の仕事を志した日英の学生向けに教育・研修プログラムを開発・実施。これまでに2000名以上の学生にユニークなグローバル体験を提供。2014年、結婚を機に再び渡米。現在はニューヨークを拠点とし、学生やプロフェッショナル向けの研修プログラムの提供や、美容に特化した日本の魅力ある商品を海外に発信し販売

 

(取材/文・阿部夕華)

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