総再生回数2億超え!”人生を変える”変身動画が大バズのMiyu’s代表・長谷川将郁。目指すはメンズ美容意識の変革と業界進化、ゴールは株式上場!
1日40人が殺到!変身動画が生まれたきっかけ
――インスタの変身動画はドラマ仕立てですごく完成度が高く、言葉のチョイスもセンスを感じますが、すべてご自身で作られているんですか?
自分で作っています。お客さまが喜んだときの表情を切り取ってリアルに伝えたいので、他人に任せるとそれが難しいかなと思って。僕はおしゃれ初心者の男性を集客しているので、髪型を変えたことで彼女ができた報告をもらったりすると、すごく嬉しいんですね。人それぞれのドラマがあるんだなと感じて、そこにフォーカスして発信しようと思ったのが変身動画のきっかけです。投稿数を重ねながら進化させてきた感じですね。毎回たくさんのお客さまへの応援コメントがつきます。それをお客さまが心が折れそうなときに読んで「また頑張ろう」と思ってくれたら、より嬉しいなと思っていて。そんな気持ちで動画を作っています。

――サロンワークでは、1日どれくらいのお客さまを担当されているんですか?
だいたい40人弱の指名が入ります。予約を解放すれば、300人くらい入るんじゃないでしょうか。10人くらい同時に施術しますし、回転数はすごく早いです。アシスタントも仕事が早いんですよ。というか、必然的に早くできるようになりますね(笑)。僕のこだわりとして、お客さまのデート前、プロポーズ前、結婚式、成人式のときは無料でヘアセットをしているんです。「背中を押したい」という一心で取り組んでいるので、そこにお金は取りたくなくて、予約なしでも対応しますし、むしろ「やらせてください」っていう。大切な人生の瞬間に関わらせてもらえることへの感謝ですよね。これは昔から続けています。技術の追求も、お客さまのため。今でも練習してますよ。

――長谷川さんが売れ続ける理由が、わかった気がします。
女性からも予約が入ります。奥さんやお母さん、娘さんのリクエストやプレゼントという形で、男性が来られるんです。「私の結婚式があるのでパパをきれいにしてほしい」とか、「彼氏を素敵にしてほしい」とか。僕の変身動画は香港や台湾のメディアでも紹介されたみたいで、クローズのツアーまで組まれています(笑)。同じアジア人なので、親近感がわくんでしょうね。

スタイリスト年収1000万を、当たり前の世界に
――長谷川さんは、髪のおしゃれに興味がない日本人男性の認識を変えたいそうですね。
目指してます。全体のパイで考えたら、おしゃれに興味がある男性はまだまだ少数派です。だからこそ、メンズヘアの市場はもっと開拓していけると確信しています。一度来ていただけたら美容室の良さがわかると思いますし、「自分は意外とイケてた」とか、「髪型で人生が変わるんだな」ということにも気づけるはず。その経験によって美意識が上がって、そうなれば世の中にかっこいい男性が増えて、美容の市場も伸びますよね。市場が伸びれば働き手も必要になるので、美容師の給料も上がっていくじゃないですか。そういう好循環を作っていきたいんです。

――インスタの変身動画も、メンズの美容意識を上げるための策のひとつですよね。
それもありますが、僕が重視しているのは「美容師という職業の価値を伝えること」です。これから人口が減少し、子どもも少なくなる時代、このままでは美容師という仕事が選ばれなくなる危機もあると感じています。どういう風に業界改善をしていくか?と考えたときに、やはり美容師の価値を伝えていく必要があるなと。好きな仕事を衰退させたくないし、業界全体に貢献していきたいという思いがあります。
――Miyu’s では給与制度の改革などにも挑戦していると伺いました。出店の背景には、業界課題の解決への想いがあったのでしょうか。
今34歳ですが、30歳を迎えた頃にプレイヤーとしてやり切った感覚があったんです。それをきっかけに出店を具体的に考え始めました。プレイヤーという立場では、後輩の教育やマネジメントにも限界を感じていましたし、何より「後輩たちの給料を上げたい」という思いが強かった。だからスタッフがしっかり稼げる環境をつくることを目指しました。

ちなみにMiyu’sは基本給に家賃手当などを含め、1年目から額面で月28万を設定しています。インフレも加速していますし、地方から出てきたスタッフが東京で暮らしていくには、最低でもそれくらいないと生きていけない。僕の時代は借金が当たり前で、自己破産した人もいましたし、そういう業界の闇を本当に変えたかったんです。スタイリストが平均年収1,000万円を当たり前に取れる仕組みも整えています。実際、24歳で月600万円を売り上げているスタッフも在籍していて、その成果にしっかり応えられるシステムを用意しています。