安定よりもワクワクが欲しかった。大手サロンを出て新しい挑戦を始めた、NAMI ginza 荒井夏海さん

困ったことがあるときに、一番に聞いてもらえる人でありたい

 

 

─環境を変えることを決めたとき、周囲の反応は?

 

正直、若干止められました(苦笑)。心配してくれた先輩たちに「本当に行くの?」「ここにいた方が、安定して稼げるんじゃない?」と言われることもありましたね。

もちろんお金はあるに越したことはないですけど、自分にとっては、それよりもワクワク感の方が優先だったんです。安定よりも自分の意思で進んでいける楽しさを選ぼう、と思っていました。

前社の幹部陣ともちゃんと話して、最終的には背中を押していただいて。退社前には社長と食事にもいかせていただいて、本当にありがたいですね。

 

─NAMI ginzaに来て、考え方に変化はありましたか?

 

前社では結果にこだわって仕事をしてきましたが、NAMIに来てからは、その思いは少し落ち着いた気がします。もちろん、「頑張った分だけ結果につながって、毎日の営業が充実して楽しくなる」という背中は後輩たちに見せていきたいです。ただ、ピリピリして余裕がなくなってしまうほど忙しくしなくてもいいのかな、と思えるようになりました。

 

 

自分にとって無理なく良い仕事ができるペースが分かったのかもしれません。売上のために予約を詰めて営業をしていた頃は、お客さまに不満を抱かせてしまわない立ち振る舞いに神経を割いてサロンワークをしていました。

でも結局、どれだけ気をつけて営業したところで、待たないなら待たない方がいいし、私が入れるなら私が入った方が圧倒的にお客さまの満足度は高いんですよね。それを顕著に感じたので、NAMIでは売上に囚われすぎずやっていけたらと思っています。

 

私はもともと忙しくても機嫌を表に出すタイプではないですが、ここでは、後輩たちが困っているときに「どうしたらいいですか?」と最初に聞いてもらえる存在でありたいですね。

 

環境も体制も売上も、すべての理想を追いかける

 

 

─内装にも、皆さんのこだわりが反映されているんですよね。

 

レセプション、フロア、シャンプー台とそれぞれエリアごとにライティングを変えています。シャンプーブースは流す音楽も変えていますし、美容室っぽくない香りにしたかったので、ディフューザーにもこだわって、時間ごとに決まった香りが出てくる高性能のものを選びました。

髪の毛さえ綺麗になればOKではなく、光や音、香りなどの五感でリラックスしてもらえる内装作りを目指しました。スタッフの理想が至る所に反映されていて、我ながら、いいお店になったなと思います。

 

うちはオーナー以外全員女性スタッフで、顧客層も8割以上が女性。なので、ポイントで木材なども取り入れたナチュラルで柔らかさがある、明るい雰囲気に仕上げています。サロンにいらしたお客さまが、「わぁ!」とテンションが上がってくれたら嬉しいですね。

 

 

─まだスタートしたばかりのNAMI ginzaですが、これから、どんなサロンにしていきたいですか?

 

オーナーはこのサロンを作るときに「第一優先は、スタッフの満足」と言っていました。スタッフが満足して働いていたら、それは結果的にお客さまの満足にもつながるはずだと。

私自身、ここに来てからそれをすごく感じるんですよ。予約の取り方を工夫していることもあって、美容師の仕事を楽しむ余裕が生まれたというか。仕事に純粋に向き合えるようになって、「新しい技術や商材の勉強をして、もっとたくさんの新しい知識を身につけたいな」とか、しばらく手が回らなかった分野に対する新しい意欲が湧いたんですよね。

なので、自分だけでなく、スタッフにとっても美容師を楽しめる環境であってほしいと思いますし、そのために自分ができることを考えていきたいと思います。

 

 

私自身としては、目の前のお客さまにしっかり向き合いながら、少しずつ売上にも貢献していけたらと思っています。

ただ、売り上げを上げること自体が一番の目的ではありません。私が大切にしたいのは、自分も含めたスタッフみんなが美容師として楽しく働き続けられるサロンをつくること。

そのために必要なことの一つが、お店としてきちんと利益を上げることだと思っています。新しいことに挑戦したり、より良い環境にアップデートしていけるように、私も自分にできることをしっかりやっていきたいです。

 

プロフィール
NAMI ginza
トップスタイリスト/荒井 夏海(あらいなつみ)

1997年、茨城県生まれ。パリ総合美容専門学校柏校卒業後、新卒で都内人気サロンに入社。2026年6月からは、NAMI ginzaに拠点を移して活躍中。SNSでは「似合わせ前髪カット」「レイヤーカット」を打ち出し、朝5分で決まるスタイルを提案して、世代を問わず数多くの顧客から熱烈に支持されている。

Instagram:@natsumi_reon.hair

(文/岩木日向子 撮影/泉山美代子)

 

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