“センスがいい”ってどういうこと? GOODTHING mayuさんの感覚の磨き方

 

北参道、代官山、五本木に店舗を展開するGOODTHING(グッドシング)。洗練されたヘアを軸に、アパレルアイテムやスタイリング剤、アイウェアなどのオリジナルプロダクトも手がけ、独自の世界観を形にしています。その美容室の枠に留まらない展開は、美容業界の中でも注目の的です。

今回登場いただいたのは、創業当初からサロンを支えてきたmayu(マユ)さん。今年で美容師歴13年目となるmayuさんは、地元での就職、上京、フリーランスを経て、GOODTHINGのオープニングスタッフとなりました。

サロンのコンセプトを体現するような、ヘアとライフスタイルを組み合わせた発信で多くのファンを獲得している独自のセンスは、いかにして磨かれたものなのか? 美容師がプロダクトデザインに関わる意味とは? mayuさんの『センス』の源泉に迫ります。

 


 

東京に行くなら、自分の力で出たかった

 

 

─mayuさんは新卒で、一度地元のサロンに就職されたんですよね。

 

はい。美容学生の頃から、美容師として働くなら東京に出たいと漠然と考えていたのですが、親にまとまったお金を借りるのは気が進まなくて…。まずは、地元の新潟で就職することを選びました。ちょうどその頃に「好きだな」と思えるサロンが近くにでき、妥協ではなく、望んだ環境で美容師生活をスタートすることができたのは幸運だったと思います。

 

─そこから、東京に出てきたのにはどんな思いが?

 

実際に働き始めてみても、東京への気持ちが消えることはなかったんです。むしろ、アシスタントとして二年間働いたからこそ、思いがより強くなったように思います。地元では、どうしてもできるデザインは限られているし、長い目で見たときに、仕事でもプライベートでも、より人生を楽しめるのは東京なんじゃないかな、と。そう考えて3年目に上京し、念願の東京のサロンで働き始めました。

 

 

入社したのは、原宿にあるトレンドサロンです。当時、そのお店で店長をやられていた本郷さん(現nude代表 本郷博史さん)が作るスタイルとSNSの発信に惹かれたことがきっかけでした。まだ都心でも集客サイトを使うことが当たり前だった時代に、本郷さんはカメラで撮影したスタイル写真をInstagramに載せて集客をしていて、それがすごく新鮮だったんですよね。

ちなみに私自身も、そのサロンに入ってから「SNSをやりなさい」と言われて渋々発信を始めました(笑)。もともとSNSがすごく苦手だったので、あのとき先輩方に発破をかけてもらえて良かったと、今になって思いますね。

 

竜さんの作るサロンだから入りたいと思えた

 

 

─念願だった東京でのサロンワークは順調でしたか?

 

大きくつまずくことはありませんでしたね。入社から2年ほどでスタイリストデビューを果たし、そこから半年ほどでサロンを離れてフリーランスとして働き始めました。

当時は、シェアサロン・SALOWINの1店舗目ができてまだ1カ月ほど。フリーで働くということがどういう感じなのか、みんな様子見しているような状況でした。でも、私は気になったら飛び込んでしまうタイプで(笑)。「会社に所属して働くやり方は5年間で一通り学んだから、別のことをやってみたい」という好奇心に従って、フリーランスの道を選びました。

 

今振り返っても、あの時に一度フリーランスを経験できたのは私にとってすごく良かったと思います。フリーランスは、当然ながら全てが自己責任です。集客も、予約の管理も、材料の発注も、何もかも自分。それを経験したからこそ、会社に所属していても、一人で働いていても、結局は自分がやるか、やらないかだという本質に気づけて、本当の意味で自立できたような気がしています。

 

 

─GOODTHINGに参画された経緯も教えてください。

 

私はもともと、竜さん(GOODTHING代表・伊藤竜)に髪を切ってもらっていたんです。フリーになって2年ほど経った頃、いつものようにお店に行ったら、竜さんが独立するという話をしてくれて。「コーヒー作りたいんだよね」「カフェと美容室を一緒にやりたくて」と話すのを聞いて、楽しそうだなと思って、私から「一緒にやりたいです」と伝えました。

先ほどお話ししたように、当時の私は、会社にいてもフリーランスでも、いい意味で自分のやることはあまり変わらないと思っていたんです。だから、その話を聞くまで、特にサロンを探していたわけではなかったですし、自分の環境に不安や不満もありませんでした。

それでも、竜さんの作るサロンなら入りたいと思った。それくらい魅力的だったんですよね。

 

>仕事とプライベートの境界線をあえて曖昧に

 

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