専門学校卒業までに400人をカット!? アシスタント期間0日でデビューした異色の美容師 美容学生にも支持される「Nullのフウガ」とは何者なのか


明日の生活にも困っている状態じゃ、何も生み出せない

 

 

Nullではカリキュラムを練り上げて、教育の土台をしっかりと整え、スタッフの成果に見合った対価が支払われるシステムをつくりました。売上還元率や薬剤のコスト、教育や各種サポートなど、フリーランスと同等以上の条件になっていると思います。ただ、これは僕たち経営陣が今報酬をたくさん受け取ってしまったら実現できないことです。そのため、僕ら3人は最小限の報酬におさえて、会社に還元しています。僕もフリーランス時代より給料は低いですが、それがベストだと思っています。

人は明日の生活にも困っているようなときに、何かを生み出すことはできないと思います。理不尽なプレッシャーにさらされている時も同じです。成果に見合った報酬が受け取れて、金銭的にも余裕があるから新たなクリエイティブを生み出せるし、将来のビジョンを考えることができる。何も持っていない人に、何かを生み出せと言っても、できないと思うんですよ。

 

 

一方で、報酬を受け取る側は、その報酬が貰えている現状を当たり前だと思ってはいけないと思います。その価値にしっかりと見合うクリエイターになることを目指すべきですし、アシスタントだったら今の自分の報酬は他のスタイリストが生み出してくれているお金であるという現状を把握して、どうしたら自分の力で稼げるようになるのか、考えてほしいと思います。この感覚を持っているアシスタントは少ない気がする。
ただ、このような感覚は自分の腕で価値を生み出さなければならない美容師(クリエイター)には必須だと考えています。

正直、美容業界の上の人たちを今から変えることは難しいと思います。けれど、美容学生や若者に対してセミナーや発信をして、マインドチェンジを仕掛けることはできると思う。そして、下の子たちが変われば、上の人たちも変わるはずです。僕らは美容学生や若者から、美容業界を変えていきたい。
だから僕らは学生や若者に向けてアプローチしています。学生向けのコミュニティは拡大中ですし、ゆくゆくはNullアカデミーも開催したいと思っています。日本の美容学生や若手美容師たちが、「Nullに入れば絶対に輝ける」と思ってくれるような場所をつくりたい。
そして僕と出会って輝いていく人を増やせる存在になりたい。
そうして、新世代を代表とするサロンになること。これが僕たちの目標であり、使命です。

 

プロフィール
株式会社Null 代表取締役/founder
フウガ

国際文化理容美容専門学校国分寺校卒業。アシスタント期間0日でスタイリストデビューを果たす。都内のサロンで店長を務めた後、フリーランスとして活動し、Nullを立ち上げる。デザインカラーとカットの似合わせを得意とし、エンドカラーの先駆者として美容学生や若手美容師からの支持も厚い。サロンワークを中心に講師活動や学生向けの情報発信、メディア構築など、幅広い活動を行う。
Instagaram:@fuga.null

 

(文/外山武史  撮影/菊池麻美)

 

 

   ライフマガジンの記事をもっと見る >>

   リクエストQJ Instagram

   リクエストQJ YouTube

  旬の美容師求人はこちら

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング