フォロワー35万人YAMATO。24歳で新潟から上京、バレイヤージュを武器に飛躍し、shion代表へと進化。地道な技術鍛錬の日々と次世代サロンへの思い
次のステップは教育と『shion』の店舗展開
――SNS集客が成功し、そこから状況も変わったのでは?
同時施術が3〜4枠に増えましたね。たくさんのお客さまを担当することが理想だったので、それがまさに叶った状況でした。ですが、枠数が増えれば増えるほどお客さまを待たせてしまったり、お客さまと接する時間が減ってクオリティが落ちたり、アシスタントに負担をかけることが多くなってしまって。僕自身の強いこだわりがあって、ブリーチもオンカラーもすべて自分でやりたかったので仕方がないんですが、その状況は改善しないといけないと思ったので、客数を減らして単価を上げることにしました。
その後、池袋店の責任者として異動して、客層がすごく若くなったんですよ。ここで年齢を重ねてキャリアを積んでいくのは、ちょっと難しいんじゃないかなというのがあって、次のステップを本気で考えるようになったんですね。海外に行くのもいいな…なんて思っていたんですけど、仲間と出店して店舗展開していく道にもワクワクしたので、代表とも対話を重ねて、ALBUMグループという形で独立することに。それで昨年、伊藤と石澤と出資して銀座に『shion』を立ち上げました。
写真左から伊藤佑記さん、YAMATOさん、島田敬之さん、石澤諒さん。4人で代表を務めている
――上京してゼロからスタートして、5年で代表というのはものすごい飛躍ですね。
仲間が支えてくれたおかげです。バレイヤージュはデザインの変化が大きくあるようなスタイルではないですが、海外スタイルに憧れをもつ日本人が一定数いる限り、なくならないと思っていて。金子くん(レディアル・金子圭介)が”白髪手術”でバズらせてくれたおかげで、バレイヤージュが大人世代にも幅広く認知され、美容師を検索する人が増えたんですよ。その流れも、本当にありがたいです。クオリティを上げ続けていけば、お客さまはずっと来てくれると思うんですよね。最近は、バレイヤージュにトレンドのレイヤーカットや髪質改善を加えるなどして、メニューをアップデートしたりもしています。
現在の単価は4万くらいで、美意識が高いお客さまが来てくれます。来店される周期は、だいたい3ヵ月でしょうか。地毛と馴染むので、長い方は半年という方もいます。
――代表としては、今後どんなことに注力していきたいですか?
これからは、後輩の育成にシフトしていこうと思っています。shionは店舗展開が視野にあるので、途中から経営に強いメンバーも役員として参加してくれて。スタッフが、いろんなジャンルで”なりたい自分”になれるのをサポートしていけたらと思っているので、例えば店舗代表であったり、FC独立であったり、次のキャリアステップを用意していきたいと思っています。そして、今の自分があるのはALBUMのおかげなので、何らかの形でALBUMにも貢献していきたいですね。

- プロフィール
-
YAMATO(ヤマト)/『shion』代表
1995年、新潟生まれ。美容専門学校を卒業後、新潟のブランドサロンに入社。4年半後に上京し、ALBUMに参加。そこでバレイヤージュ・ハイライトといった外国人風デザインカラーを打ち出し、人気スタイリストに。そこで出会った仲間と共に、2024年11月、銀座に『shion』をオープン。Instagramのフォロワー数は35万人(2025年3月現在)。
Instagram:@yamato_ike3
(文/織田みゆき 撮影/松林真幸 MIKAN inc)