渋谷のど真ん中で“手話で接客。令和の今どき美容師” ALBUM渋谷パルコ店・本森倭さん

耳が聞こえなくても思い通りのヘアに

 

 

スタイリストデビューに向けて一つのブランディングとして、また手話カウンセリングの動画を出し始めたところDMが殺到して。今はモデル料金で施術をしているのですが、予約の半分が耳の聞こえない方で埋まるぐらいでした。

 

僕自身、手話で話すことが普通なので、カウンセリングもかなり細かく相談します。「こうするとこういう雰囲気の仕上がりになるよ」とか、「このスタイルならセットはこうした方がいい」とかいうこともしっかり説明します。もともと喋りたがりなので、カットしていないときは雑談もたくさんします。

 

お客さまも、「今度こういうイベントがあって、こういう服を着るんだけど、それに合わせるならどんな色やカットがいいかな」みたいに色々相談してくれるんです。

 

 

耳の聞こえないお客さまはこれまで、筆談をしたり、画像を見せたりして美容師さんとコミュニケーションをとっている人が多くて。だからこそ、手話で細かい部分まで相談できたり、アフターケアやセットの仕方をしっかり聞けたり、気軽に雑談できたりすることをすごく喜んでくれています。

 

とは言え、ヘアに関することや、日常会話は問題ないものの、難しい単語がでてきて手話ではどう言うのだろうということもあります。そういう時は指文字で「これは何て言うの?」とお客さまに聞くこともあります。あとは、姉が手話のスピーチコンテストに出るくらい手話に詳しいので、表現や文法を教えてもらって語彙や表現を増やしています。

 

手話での接客を体験したお客さまが、次回もリピートしてくださるのはありがたいですし、耳が聞こえなくてもハードルを感じず、かっこいいヘアにしに来られる場所を提供できるのが、僕自身もうれしいんです。

 

手話美容師がゴールじゃない。まずは、かっこいい髪をつくれる美容師に

 

 

ただ、僕は「手話美容師」をゴールにしているわけではありません。もちろん手話は自分の大きな武器ですが、あくまで美容師として一番やりたいのは、かっこいい髪をつくることです。特に今はメンズスタイルを打ち出したいと思っています。レディースのスタイルも好きなので、メンズオンリーにするつもりはありません。でもブランディングとしては毛流れのあるセンターパートなど、海外の男の子のようなナチュラルなスタイルを打ち出しています。ブリーチをする場合も、奇抜な色というより、ベージュやグレーのような自然な色味。セットでバチバチに決めるのではなく、その人自身の雰囲気を生かせるスタイルをつくりたいと思っています。

 

手話だけを前面に出してしまうと、「手話ができる人」というところだけが強くなってしまいます。僕としては、まず「この人の髪型かっこいいな」と思ってもらって、そこに「しかも手話もできるんだ!」という要素が加わるくらいがちょうどいいと思っています。自分が「かっこいい」と思うものを、お客さんに提案して、その人に似合うスタイルを作れる美容師になる。その上で、手話ができる。それが自分の目指すところなのかなと思っています。

 

>どんな人でも来られる美容室

 

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング