アルカリ酸熱から縮毛矯正「SHAKA」へ──銀座『sisi』を率いる美容師・シダショウヘイが語る、技術と教育で挑む次の進化
髪質改善サロンが生き残るには「カット」も必須
――『sisi』のスタッフは、どんなメンバーですか?
オープニングメンバーのスタイリスト2人は、SHAKAに共感して、立ち上げメンバーとして参加してくれました。あと、もう一人、これから入社予定スタイリストが、髪質改善の技術研修を受けてくれています。SHAKAは未使用でしたが、「今までで一番簡単で分かりやすい」と言って、初回から高いクオリティを出していました。縮毛矯正が苦手な人でも克服できるように作ったので、うれしかったですね。
またアシスタントの一人は、上京後に最初に勤めたサロンの後輩でした。ちょっと不器用な面もありますが、それを凌駕する才能の持ち主で、数字に強く動画編集も得意で、リール制作も任せられる存在です。

――sisiは髪質改善を得意とするサロンですが、カット教育もされていますよね。
はい。うちはカットもデジタルパーマも行うので、そこが他の髪質改善サロンとの大きな違いだと思います。この5〜6年でトレンドは変わり、デザイン性がより求められるようになりました。2021年はフラットなカットラインが主流でしたが、今はレイヤーが必要。生き残るために、技術教育は欠かせません。出店前は教育に興味がありませんでしたが、やってみると得意だと気づきました(笑)。
――SNS教育も?
早い段階で編集に慣れることが重要なので、一から教えました。「テロップ位置を上げる」「表示秒数を削る」など細かく指導しています。最近はリール編集をアシスタントが担当してくれていて、反響も上々です。

美容師向けの発信へ転換し、新事業も始動
――昨年末から、リールがガラッと変わりましたね。
これまでは集客目的でしたが、美容師向け発信へ切り替えました。今年が勝負の年だと思っているので、有益な情報を届けたいと思っています。方向転換から1ヵ月で、SHAKAを求めてくださる声が急速に増えましたね。SNS上でもいろんな方がメンションしてくれるようになってきたんですが、ものすごく上手い人たちが地方にもたくさんいて、その再現性に驚かされています。
SNSで発信するだけでなく、臨店講習もおこなっています。僕が行く場合は有料ですが、基本的には講師に長けたスタッフが無料で対応しています(交通費のみ)。うちのスタイリストは業務委託なので、講師報酬はSHAKAから別途支給する形になっています。

――なるほど。スタイリストは業務委託にすることで、サロン内での稼働率を最適化させているんですね。
そうです。今は、アシスタントは正社員、スタイリストのみ業務委託という形にしています。収入が上がっていくと税金対策もできるので、手取りが増えますよね。ただ、女性のスタッフは将来的に産休なども考えられるので、正社員を選びたいという人もいるでしょうし、これから雇用のバリエーションも柔軟に対応していこうかなと思っています。
――業務委託でも、一丸となって動いている感じ?
そうですね。「チームでありたい」と伝えていますし、SHAKAを広げるには仲間が必要です。今後の新事業も、根底にあるのは「人助け」です。

――新事業とは?
縮毛矯正が苦手な美容師さんに対して、もっと良い教育サービスが提供できないかと考え、構想中です。縮毛矯正は需要が高い一方で、「失敗が怖い」「理論が難しい」「自己流のまま不安を抱えている」という声も多く、十分に学べる環境が限られている分野でもあります。「薬剤開発者」という立場だからこそ見えている視点や、現場ではなかなか聞けない裏側の考え方も含めて発信できる点に、大きな意義があると感じています。まだチャレンジ段階ではありますが、美容師さんの可能性を広げる一助になれるよう、丁寧に形にしていく予定です。ぜひ、今後の展開を楽しみにしていてください。

- プロフィール
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シダ ショウヘイ/『sisi』代表
北海道生まれ。函館理容美容専門学校卒業後、地元人気サロンを経て24歳で上京。都内サロンで歴代2番目のスピードデビューを果たし、独学で髪質改善を習得、月間売上550万円を記録。27歳でフリーランス転身後、アルカリ酸熱トリートメントを開発。2022年よりCURE nex the salonに参加し、講師として活動しながら縮毛矯正剤「SHAKA」を開発。2024年11月、銀座に『sisi』をオープン。現在はスタッフ教育にも注力中。
Instagram:@shida__tuya.st
(文/織田みゆき 撮影/松林真幸 MIKAN inc)