2019年、頂点を極めたヘアサロンから飛び出した“武闘派美容師”の生き方−LATTE/河上 誠一郎さん−

自分のせいで大金を失っても笑って許す社長に惚れる

 

 

LATTEの社長は専門学校時代の同級生です。何回か声をかけてもらっていましたが、ALBUMでめちゃくちゃ努力していた時期だったので、断っていたんですよ。でも、社長は熱量も努力の量も半端なかったし、誰よりも働いていました。店舗の立ち上げだけではなく、ブランディング、新規事業、給与計算なども全部一人でやっているんですよ。

 

実は一度、社長の誘いに乗ったのに契約の前日に断ったこともあったんです。僕が入る前提で銀座店の物件を押さえて、デザイナーも押さえて、もう判子を押そうかって言う時に断ったから違約金などが発生したのだと思います。でも、社長はそのことを僕に伝えず、ALBUMで頑張ることを応援してくれたんですよ。気まずくて半年くらい会えなかったです。

 

 

どうしても謝りたくて、半年後くらいに菓子折を持って社長のもとに行きました。「あの時は申し訳なかった」と謝ると、その後の処理でお金がたくさんかかったことを、笑いながら話してくれたんですよ。

 

これ言ったら、お前、気を遣って俺と会えなくなるでしょ。だから俺は言わなかった」って言われて…惚れましたね。これはもう一緒に働くしかないと思いました。

 

命を削る格闘技と違い、美容師は死ぬ気でやっても死なない

 

 

新しい環境は、前社とはまた違った面白さがあります。毎日、毎日、深夜1時くらいまで社長と電話して、これからのビジョンを語り合ったり、サロンの改善点を共有したり。毎日毎日新しい出来事があり、もっと努力しなきゃいけないって思っています。ALBUMではみんなの力で全国1位を達成しました。今度はLATTEで、中型店部門で1位を達成したいと考えています。

 

もし、今まだ若くて、これから圧倒的な結果を出す美容師になりたいと本気で思っている人にアドバイスするとしたら「考えるより、動け」ですね。Instagramをやるなら、Instagramに集中して、作品をアップしまくったらいいと思います。みんな中途半端にやるから結果がついてこない。人の倍やれば、絶対に結果は出るものなんですよ。

 

誤解を恐れずにいうと、美容師はどれだけ行動しても命を失うことはまずありません。僕は専門学校時代から格闘技をしていますが、格闘技と比べたら楽ですよ。格闘技は命を削っていますからね。特に男性美容師には、男なんだからもっとやれよって言いたい。努力して、寝る間を惜しんで、とことんやればいいんです。

 

 

プロフィール
LATTE プロデューサー
河上 誠一郎(かわかみ せいいちろう)

北海道出身。山野美容専門学校卒業。新卒で多数のカリスマ美容師を生み出した伝説のサロン「HAIR DIMENSION」に入社。スタイリストデビュー後、都内1店舗を経て、ALBUM SHIBUYA、ALBUM SHINJUKUでプレイヤーとして売上を伸ばすとともに、要職を経験。Instagramは開始から2年でフォロワー10万人突破。NOBU氏らとともにALBUM SHINJUKUを超人気店に育て上げる。2019年よりLATTEに移籍し、プロデューサーとしてサロンを牽引している。

 

 

(取材/外山 武史・撮影/菊池 麻美)

 

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