【渋谷発︕バレイヤージュの旗を掲げ、美容の新世界へ】SUNNY号・上野剛寛、YouTubeとデザインカラーで新時代を切り拓く

著名人も多く通う渋谷・道玄坂のサロン「SUNNY(サニー)」は、新規客の9.5割がブリーチ系メニューを選ぶハイトーン特化サロン。そこでオーナープレイヤーとして活躍しているのが、「タッタ」こと上野剛寛(うえのたかひろ)さんです。2020年4月にYouTube『タッタCHANNEL』を開設し、ハイライトやバレイヤージュの技術をあますところなく公開。その動画はコロナ禍で数十万回再生を超え、全国にそのノウハウが広がりました。現在は、今夏で創業3年目になる『SUNNY』でサロンワークとスタッフ教育に注力している上野さんですが、「もっと活躍できる」という思いでさらなる高みを目指しているそうです。そんな上野さんのこれまでのキャリアと、これからを取材しました。
21歳で人生を軌道修正。東京で”一流”を知る

―上野さんは美容専門学校に入学したのが、21歳の時だったとか。異業種からの転職だったそうですね。美容師に転身したきっかけは?
僕はもともと、高校卒業後に地元・伊勢(三重県)でクレーンの運転手をしていたんですよ。毎日ヘルメットをかぶって働いていたんですけど、3年目に入ってから「俺の人生、こうなるはずじゃなかったな。もっとキラキラしたい」と思ったんです。髪のおしゃれが好きでしたし、中学生の頃に見ていたドラマ『ビューティフルライフ』の影響もあって、美容師の世界への憧れが強く残っていたので、美容師になろうと思い立ちました。とはいえ、周りより3年遅れですし、目指すならカリスマになるしかない!と(笑)。それで上京し、都内の専門学校に入学しました。当時は「東京で一旗あげたら地元で美容室やろうかな」なんて、軽く考えてましたよ。

――心機一転、環境を変えて東京で美容学生になり、どんな学生生活でした?カラーはその頃から得意だったんでしょうか。
技術的なものは何でも得意でしたね。でも、あの頃はカットがかっこいいと思っていたので、カットコンテストに結構出ました。著名なコンテストではなかったですけど、出ると優勝、もしくは準優勝を取れてしまって。勉強は不得意でしたが、小さい頃から器用だったんです。サッカーも町で一番うまいと言われていたし、バスケも県の選抜に選ばれたりとか。だから、自分は何でもできちゃうと思っていたんですよ。
就活も、200人が殺到した都内の人気サロンに入社が決まり、「やっぱり俺すごいわ」なんて思っていたんですけど(笑)、伸びていた鼻はそのサロンに入ってへし折られました。全国から一番を取ってきたような新卒が集まって、その中でいざ勝負しようとしたら「あれ?俺全然できないじゃん…」って。シャンプー合格まで半年以上かかりましたし、調子に乗っていたので結構叱られたんですよ。先輩から技術に入れてもらえなかったこともありましたしね。技術はもちろんですが、人としてのあり方に厳しいところだったんです。人生初の挫折を味わいましたね。ですが、そのサロンで積み重ねた7年間の日々が、今の僕の基盤になっています。
