大の苦手だったヘアアレンジが自分のウリに -U29次世代美容師vol.01 Way’s 木村一平さん-

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先輩たちを追い越すために人の3倍練習していた

 

いろいろ悩んだ末、誘っていただいた表参道の有名サロンに就職。全国から志の高い仲間が集まっていましたが、専門学校時代の感覚から人の2倍練習すれば同期で1番になれるのは分かっていました。でも、僕が目指すのはそこじゃない。一つ上、二つ上の先輩に追いつき、追い越すためには3倍の練習量が必要。限られた時間の中で3倍の練習をこなすには、要点を掴むことが大事。効率よく技術を習得する方法を常に考えていました。

 

ワインディングの練習を徹底的にやったことが、自分の技術の基礎になっています。僕にとってワインディングは、全ての技術のベンチマーク(基準点)なんです。カットやブローを学ぶときも、ワインディングの練習量が一つの物差しになります。どのくらいやれば、一番になれるのかが肌感覚で分かるのです。

 

もちろん、ただがむしゃらにやればいいのではなく、どの技術も一番上手な仕上がりを見て、それに近づけていくことがコツ。ダメならなぜダメなのかを突き止めて、次に生かしていく。この繰り返しが上達につながるのだと思います。

 

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技術には自信があるのに…美容師人生で初めて感じた壁

 

努力の甲斐があり、同期では1番乗りでスタイリストデビューを果たすことができました。でもデビュー直後は、自分の職人気質が邪魔をして、お客さまとの関係性をうまく築くことができない時期もありましたね。

 

自分に技術の高さやスピードがあるからといって、お客さまが満足してくれるとは限りません。お客さまは何かしらの要望を持って来店しているから、まずそれを叶えてあげるのが先。そのことに気づいてから、身の回りにいる先輩たちの人間性をよく観察して、お客さまへの気遣いやニーズの察し方を学びました。何をしたら喜ぶのか、何をしたら嫌がるのか、女性の感覚を掴むのが苦手だったので、女性の先輩の接客がすごく参考になりましたね。

 

例えば、お客さまが「毛先を切りたい」と言ったとき、痛んでいるから切りたいのか、伸ばしているから毛先を整えたいだけなのか…。それともバッサリ切った後でもう少し切りたいのか…。お客さまが何のためにきているのか、どんな悩みを持っているのか、できるだけ少ない質問のなかで読み取るように意識しています。

 

>自分なりのアンサーを提供し続けること

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