ギターを携えた歌い手が、ハサミを操る詩人になるまで -ade omotesando 千葉雄平さん U29次世代美容師-

ミクシィで募集していたサロンに滑り込む

 

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いよいよやばいぞ…と焦りを感じはじめたころ、ミクシィでスタッフ募集中の告知を見つけました。連絡して見に行ったらちょうど男性アシスタントが欲しいタイミングだったようで、話をする程度で面接もなく採用してもらえました。

 

ただ、入ってすぐに先輩アシスタントが2名辞めてしまって、気が付くと店長とアシスタントの僕の二人体制に…。店長がどんどん新しい仕事に挑戦させてくれる人だったので、大変でしたがそれがとても楽しくもあり、比較的短期間で経験値を積むことができました。経験不足で至らない点も多々あったはずですが、信頼してくれた店長には感謝しています。

 

入社して1年ほど経ったときにade omotesandoができました。店舗の立ち上げに参加できたのはいい経験ですし、有名店出身の先輩の技術を間近で見ることができたのもよかったですね。サロンが違うと技術へのアプローチも違うことがわかり、とても参考になりました。

 

そして、23歳でスタイリストデビュー。最初はまったくお客さまがいない状態でスタートしました。実は僕、モデルハントをしたことがなかったんです。それでも東京で出会った友達にも助けられ、デビューチェックまでの約3ヶ月、毎日カットモデルを入れていました。

 

そのおかげで、最初の頃は新規のお客さまは少なかったのですが、友達とその紹介だけで売り上げを立てられていたんです。とはいえ、そんなに都合よくお客さまが増えるわけもなく、伸び悩む売り上げに苛立ち、少しでも印象に残るように自分なりに何ができるのか考えて、いろいろな工夫をしました。たとえば、最初につくった名刺は、コスト度外視であえて三つ折りにして、サロン情報と自分の作品、自分の想いを載せました。何よりも僕の想いを伝えることが大事だと思ったんです。

 

ヘアと写真、言葉を融合させたオウンドメディアが誕生

 

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オウンドメディアをつくったのはデビュー直後のことです。

 

「僕という人間を知ってもらいたい」

「僕の想いを誰かに届けたい」

「美容を通じて人の心を少しでも豊かにしたい」

 

そんな気持ちをカタチにして、発信したくてつくりました。

 

美容師はお客さまあっての仕事ですが、アーティストのような部分もあっていいはず。僕のアーティスト的な部分を、オウンドメディアで打ち出していきたいと考えました。ヘアと写真だけではなくて、言葉を添えたのは、もともと言葉を大事にしていたし、好きだったからです。僕の書いた言葉が琴線に触れて、「会ってみたい」と思ってきてくださる方もいるんですよ。

 

オウンドメディアと並行してInstagramもはじめました。最初は、フォロワーも少なかったのですが、1年で1000人のフォロワーを目標にして、毎日1投稿し続けたところ、1700人のフォロワーを獲得しました。2年目に入ってそれが約10倍の1万8000人へ。有名なモデルさんを起用したことや、キュレーションサイトに紹介されたことなどが起爆剤になりました。自分の大切にしているカジュアルとモードのバランスを意識した作品と作品に添えた言葉が支持されて、2016年の秋くらいから一気にお客さまが増えたんです。

 

メディア上ではシリアスな演出をしているので、お客さまに「思っていたよりもフランクな感じでよかったです」と感想をいただくことも(笑)。そういうギャップって、実際に会って経験しないとわからないですよね。僕は行動することは何よりも大事だと思っているし、言葉でもそのことをよく伝えています。作品や言葉に影響されて、お越しいただけたときは、とても嬉しいです。

 

>オンリー・ワンを目指したい

 

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