輝く美容師の裏側にフォーカス あの人の「裏ガオ」 #5 THE REMMY倉田聡子さん

20代のうちの意識変革がこれからのサロンワークに繋がる

 

 

本当の意味でそんな自分を立て直すことができたのは、27歳のときに、THE REMMYに入社してからなんです。オーナーからの、周りの人に認められず置いていかれてしまうような人間性のまま20代から30代になってはいけないという教えにハッとして。20代のうちに変えるべきところは変えなきゃいけないし、仕事においても人間性という面でも、周りから認められるためには直すべきところは直さなきゃいけないというふうに意識が変わって、それがサロンワークにもいかせるようになってきました。

 

 

たぶん普通の人付き合いだったら「人間性を変える」とか、そこまで気にしなくていいのかもしれないですけど、やっぱり美容師の仕事って、お客さんがどんなことを考えているのか気遣いできることがとても大事ですよね。例えば、お客さんがちょっと動いたときに、単に座り直しただけなのか、それともトイレに行きたいのか、暑いのか…サインに気づくことができたらお客さんはうれしいし、「気づいてくれる人なんだ」って思ってくれますよね。

 

できる・できないは人それぞれだと思うんですけど、THE REMMYはそういうのに気づける人が育ってほしいなって思ってアシスタントには伝えるようにしています。

 

何より、それを教えてくれたのがオーナー二人だったので、私も下に伝えていきたいんです。

 

デビューが早かったからこその苦悩…「やばい、切れない」

 

 

技術の面では、私は今のお店でスタイリスト2年目なのですが、入社してわりとすぐデビューしているんです。というのも、前のサロンに6年勤務していて、26歳になった年にTHE REMMYに転職したという経緯があり、前のサロンで一度デビューしていたので、オーナーからは「お客さん切っていたんだよね」という目線で見られていたんです。

 

実際には、前のサロンとTHE REMMYでは、売りにしているスタイルも手の動かし方も違うので私はイチから勉強し直す気でいたのですが、転職して1年たったときに「倉田は、実際にお客さんを切らないと成長しないよ」と言われ、そうのんびりもしていられなくなってしまったんです。

 

そうしてハサミを握るようになると、私自身がベリーショートの美容師だから、ベリーショートにしたいというお客さんがいらっしゃいますよね。私がデビューした年は、ちょうどバズカットの女の子がコレクションでも原宿でも増えていたタイミングだったので、そういうベリーショートのオーダーは本当に多かったです。最初は、「やばい、切れない」という感覚でした。ただ、前のサロンでデビューが早かった分、おどおどしないとか、どうにかしてカウンセリングから仕上げまで作り上げるという“乗り切るチカラ”みたいなのは身に付いていたんですよ(笑)。

 

 

そうしてお客さんが終わったあとに、オーナーから「今のはちょっと長かったよ」とか「さっきのは、もうちょっとここを短くしないと」とかアドバイスをもらっていました。今もそうですけど、自己満足で終わったら成長はないですし、何が正解というのはないので、周りの人のアドバイスは素直に受け入れるようにしています。

 

クリエイティブなスタイルって、上手であることは絶対条件で、同業の美容師さんたちに認められるようなものを作らないといけないというプレッシャーもあります。だから、デビューした直後に不安になってオーナーに一度聞いてみたことがあるんです。「私がもし失敗してTHE REMMYの看板に傷がついたら嫌じゃないんですか?」って。そうしたら「そんなの全然気にしないし、そんなこと気にされるのが一番嫌だ。思いっきりやってもらった方がいい」と言われて、楽になれましたね。そういう気持ちでデビューさせてくれてたんだと思うと、ありがたいし、中途採用でもある私を、そういう形で認めてくれるのはすごい寛容だなって本当に感謝しました。

 

>感謝の気持ちを連鎖させていく

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