輝く美容師の裏側にフォーカス あの人の「裏ガオ」 #5 THE REMMY倉田聡子さん

 

美容師は、技術のみならず人柄やカリスマ性など、総合的なスキルが求められる職業です。今人気の美容師さんも自らの短所やハンディキャップを乗り越えてきたからこそ、今のポジションで輝いています。

 

第5回に登場してくれたのは、THE REMMYのスタイリスト倉田聡子さん。ベリーショートのスタイルをアイコンにおしゃれな女子から人気を集めている倉田さん。取材時には30歳の誕生日を迎える直前で「今が一番美容師として充実していて楽しい!」と話してくれた倉田さんですが、かつては失礼な発言を先輩にしてしまったり、“やらされている感”から美容師が楽しくないと感じたりしたこともあるそう。そんな倉田さんはどのようにして美容師として、人として成長していったのか、お伺いしました。

 


 

「自分のことしか考えてなかった」20代前半

 

 

イケてなかったことは随所にあるんですけど、特に20代前半の最初に勤めたサロンでは、周りのことは考えず、自分がよければいいという精神だったと思います。

 

今思うと、前の職場の先輩はよく私の面倒を見てくれていたなと思うほどです。

 

例えば、以前勤めていたサロンでは業界紙の撮影のために、モデルハントをスタッフ全員ですることがありました。1、2年目のアシスタントは毎週火曜日がモデルハントの日だったのですが、どうしてもモデルが見つからず、営業後にモデルハントをやることになったんです。そんなある日、卒業した美容学校の先生が飲み会に来ているというのを聞いて、私は何を思ったのか、先輩に「私、今日の夜ハント休みます」と言ったんです。

 

もちろん理由を聞かれたのでそのままの理由を答えたのですが…今考えると「飲み会なのでモデハン休みます」とかありえないですよね(笑)。先輩もとても困惑していましたが、あとで「自分が言ったこと間違っているのわかってる?」と指摘を受けても、なんで怒られているのかピンとこなくて。「だって先生だよ? なんで行っちゃダメなんだろう」って。

 

みんなでやりましょうって決めたことなのに、なんでそんなことを言ってしまったのか…こうして話すのも恥ずかしいです(笑)。

 

 

あとは、営業が30分くらい押したときにまだお客さまがいるにもかかわらず、掃除を始めたこともあります。それも、お客さんの座っている席の隣の鏡を拭いたりして…多分心の中の「営業時間過ぎたし、まだ終わらないのかな」が行動に出ちゃったんですよね。

 

当然、あとで先輩に怒られました。私もフラストレーションが溜まっていて、そのときにすごく泣いて言い訳をしながら、「なんで先輩のお客さんのシャンプーしているのか、わかりません」とか「美容師楽しくないです」みたいなことを言ったのを覚えています。それでお給料をもらっているわけですし、先輩にもものすごく失礼な発言ですよね。たぶん、スタッフと一緒に仕事している感がなかったんでしょうね。お客さんのためじゃなくて、「先輩のお客さんをシャンプーしなきゃいけない」みたいな、やらされている感があったんだと思います。

 

それでも数年が経ち、社歴が長くなっていくと自然と自分が後輩に教えないといけない立場になっていきます。そんな中で特に意識の変化があったわけではなく、周りが認めてくれたというわけでもない。教えてもらったことに対しては、そのつど変えてはいましたが、根本の意識は変わっていませんでした。

 

>20代のうちの意識変革がこれからのサロンワークに繋がる

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