大人世代のお客さまから愛される秘訣-ALICE by afloot松盛友美子さん-

人間性を磨いて、「会いたい」と思ってもらえる人になりたい

 

 

お客さまとお話をする内容は、年齢によって変えるなど、とくに意識はしていません。人と向き合うときに、年齢はあまり関係ないように思います。大切にしているのは、常に自分らしくあることや、相手を「よろこばせたい」という気持ちです。

 

「自分のファンをつくったほうがいいよ」と先輩からアドバイスいただいたこともあって、人間として好きになってもらえるよう、いろいろなことに興味をもって内面を充実させていきたいと思っています。お客さまから、「会いたい」「話したい」と思ってもらえる存在になるのが目標です。

 

美容に関する技術的なことに関しては、「若くて頼りない」と思われないよう、しっかりお伝えするように意識しています。時間をかけずに手軽にかわいく仕上げるスタイリング方法や髪の毛のクセを抑える乾かし方、コテの巻き方やヘアアレンジのコツなど、お客さまそれぞれのライフスタイルに合わせてお伝えします。かわいくなるのも、若返るのも、小顔に見えるのも、「前髪」がポイントになるので、そこも外さないようにしています。

 

自分の好きなスタイルを貫けば理解者は必ず現れる

 

 

スタイリストになりたての頃は、流行最先端の前衛的なスタイルを追求し、若年層をターゲットに仕事がしたいと思っていました。でも自由ヶ丘という場所柄、それでは集客できないことに気づいて方向性を切り変え、今のカジュアルスタイルにいきつきました。

 

「afloat(アフロート)」ではフェミニンなスタイルを強く打ち出していますが、私自身は少しカジュアル寄りが好みです。本来ならお店のスタイルに合わせなければいけないのかもしれませんが、カットモデルの撮影でも、サロンでも、自分のつくりたいスタイルを貫いてきました。今では私のつくるカジュアルスタイルを好んで指名してくださるお客さまも増え、自分のやりたいことを曲げずに続けてきてよかったと思っています。

 

 

今後の課題は、セミナーを通じて技術をいかに人に伝えていくか。将来のビジョンは美容師を一生続けていくことです。女性は役職に就くとプライベートをおろそかにしがちといわれますが、仕事もプライベートも、どちらも充実させる方法はあるはずです。美容師は、結婚や子育てを経験しても続けていける仕事だと思っています。カラー剤をはみ出さないように丁寧に塗ったり、お客さまのメイクを崩さないように注意したり……女性にしかできない細やかな気配りを生かして、男性に負けない仕事ができるよう、腕を磨き続けていきたいですね。

 

♦♦♦ 応援メッセージ♦♦♦

 

自分の好みは、変えることはできません。美容師は「感性の仕事」だから、自らの感覚に嘘をつけばどこかに無理が出て、お客さまに伝わってしまいます。それに、自分を殺して仕事をすれば、いつか自分自身とも折り合いがつかなくなり、仕事にやりがいを感じられなくなってしまうかもしれません。

 

私は、他の誰の真似でもない自分なりの「かわいい」を大事にしたい。本当にやりたいことを諦めずに発信し続けてこそ、自分の持つ能力を最大限に発揮することができ、無理なく長く仕事を続けていけるのだと思っています。

 

プロフィール
ALICE by afloot(アリス バイ アフロート)
副店長/松盛友美子(まつもりゆみこ)

静岡県出身。国際理容美容専門学校卒業。2011年にアフロートに入社。2017年より現職。流行をその人らしくアレンジしたナチュラルスタイルを得意とし、30〜40代の女性からの支持率が高い。学生時代はバレーボール部で活躍し、今でもからだを動かすことが好き。趣味はランニング、ヨガなど。

 

 

(取材・文/揚石圭子 撮影/泉山美代子)

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