【表参道ビッグファミリー】サロン経営と4人の子育て。二人三脚で歩む美容師夫婦が選んだ理想のライフスタイルとは。

結婚しても、ママになっても美容師を続けて欲しい

 

 

庄司:今、結婚や出産を迷っている美容師さんも多いと思います。私自身も本当に復帰できるのか、ちゃんとやっていけるかずっと不安でした。そんな経験があるからこそ、結婚して子供が産まれても、スタッフの帰ってくる場所はしっかり作ってあげたいと思っています。

 

小崎:うちのお店はトップが子育て組なので、一番の理解者になれる。みんなそれぞれバックグラウンドが違うので、その人なりの働き方を見つけてあげるのが、僕たちの役目ですね。

 

庄司:正直、早く帰らなきゃいけなかったり、お店にいる時間が短いことって、本人にとってもとてもネガティヴなことなんです。経営者としても、同じ扱いをしたいけど出来ないというジレンマが生まれてしまう。だけど、うまくポジションを作ってあげたり、サロンワーク以外の仕事を任せたり、工夫しながらでも美容師を続けて欲しいんです。そのための手助けは私たちが出来るので。

 

 

小崎:逆に、子育てしているということを武器にして欲しいですね。お客さまも子育て世代が増えて来て、ヘアに求めていることも変わってきている。子育てという目線から、お客さまへのアプローチができるのは、強みだと思うんです!

 

庄司:私たちが経験したことを踏まえて、本当の意味での働きやすい環境づくりを実践していきたいですね。それで美容師を続ける女性が増えたら良いなと思いますし、やろうと思えばできる!ということを示して行きたいです!

 

今後の展望は、表参道美容師の働き方改革!

 

 

庄司:懸念することがあるとすれば、私たちの間では理解できていることが、サロンスタッフにも同じように共有してもらえるか。夫婦というフィルターを外したとき、一美容師、一経営者としてその判断が偏っていないか、ということですね。

小崎:夫婦としてだけではなく、お店としてその意見が正しいかどうか。そこは店長と3人で話して決めるようにしています。必要なときは他のスタッフの声も聞くようにして、軌道修正するように心掛けていますね。

 

庄司:あとは、時短で働いているということは、それをカバーしてくれている他のスタッフがいるということですから。そのおかげで会社が成り立っている訳なので、それに対してのプレッシャーは正直あります。ママ美容師でも、プレイヤーとしての背中も見せていけるかどうか…。

 

 

小崎:時短で働く美容師の誰もが感じてることなのかなと思います。妻の場合は、サロンにいられる時間が短い代わりに、撮影のモデル決めやメイクをしています。それは最終的にお客さまの入り口を作ってくれていて、お店の売上に繋がっています。数字に現れづらい仕事って、実は美容室の中ではたくさんあるんですよね。なので、これから子育てしながら働きたいというスタッフには、新しいポジションを作ってあげて、胸を張ってそういう仕事をどんどんやって欲しいと思っています。

 

庄司:今後はスタッフを増やして完全交替制を取り入れたいと考えています。有休制度を充実させて、子育て組だけでなくスタッフのみんなが自分の時間を作れるようにしたいなって。

 

小崎:世の中の流れに合わせて、それぞれの働き方を実現させていきたい。そして美容師以外の時間も楽しんでもらいたいなと思っています。仕事もプライベートも、時間にゆとりがあることで人生が豊かになると思うので。

 

 

【まとめ】

美容師という仕事をライフワークにしようと考えたとき、一度はよぎる結婚、出産のこと。

ママ美容師、パパ美容師というワードがよく飛び交うようになってきた令和の時代に、子育て世代にとって、本当の意味での働きやすさって何だろう?と考えている人も多いのではないでしょうか。全員に平等に与えられた“時間”を、何よりも大切に考えている2人のお話を聞いていると、パパでもママでも、子育てを楽しみながら美容師を続けていけるヒントが見つかるような気がしました。

 

プロフィール
小崎光隆(こざきみつたか)

1988年福岡県出身。高校卒業後、麻生ビューティーカレッジ通信科に通いながら福岡大名のサロンにアシスタントとして入社。3年後、美容師免許を取得してすぐに上京し、表参道のサロンに就職。スタイリスト、店長、経営マネジメントを学び、2021年Cannaをオープン。

 

インスタID @canna_hairsalon

 

庄司公美(しょうじさとみ)

1983年秋田県出身。高校卒業後、上京しアーデン山中美容専門学校(現たかの友梨美容専門学校)に入学。卒業後は都内の有名サロンを経て原宿のサロンに入社。出産、産休を経て、レセプショニストに転向しながらも2020年にはスタイリストに復帰。2021年Cannaをオープン。

インスタID @satomi51

 

(文/水戸怜子 撮影/松林真幸)

  ライフマガジンの記事をもっと見る >> 

  re-quest/QJ navi DAILY  Instagram

  re-quest/QJ YouTube

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング