「トレンドは掴むのではなく、つくり出していくもの」AFLOAT宮村浩気さんが伝授するモテ髪のつくり方
ヘアデザインのヒントはどこにでも転がっている

-そういったトレンドはどのようにキャッチしているんですか?
「キャッチするというより、つくるんですよね。こういうデザインをしてみたいなと思いたったら企画書を書いて、雑誌の編集さんにすぐに提出していましたね。当たり外れはあるのですが、それでも、『これ、面白いね』と乗ってきたり、『ここはちょっと難しいから、こうしよう』とか編集さんと一緒に企画を練っていきました。そうやって、雑誌にとりあげてもらうことで、トレンドをつくり出していきました。
-宮村さんが「流行らせたい」と思う際に核となるものは?
「自分の好みじゃないですかね(笑)。あとは、読者を裏切ったらダメだなと思っています。『今年はショートが流行る』といった次のシーズンに『ロングがトレンド』と言っても、現実的に無理ですよね? だから、ショートを提案したあとには、前髪や顔まわりのニュアンスの変化だったり、髪色だったりでイメージを変えるように提案していますね。あとは、実際に、ヘアスタイルを提案したあとに1000人のお客さまが来店されるかもしれないということも経験しているので、『そういうキャパが今のサロンにあるか』とか、『スタッフ全員で共有できているか』というようなことも考えながら、企画を提案していますね」
-宮村さんが企画書を書いていたんですね…。
「書きましたよ、毎月何本も。さすがに今は書いていないですが、その代わり、スタッフが相談に来るので、企画書の書き方だったり、必ずビジュアルを添えると相手に伝わりやすいということを教えていますね。あとは、ネーミングもすごく大事なので、そういったこととか」
-ネーミングですか?
「そうですね。例えば、ミルフィーユバングみたいに食べ物の名前をつけたりすることが多いですかね。かけ離れず、かっこ良すぎず、ダサいけど、ちょっと耳に残るようなネーミングをつけるようにするといいよと教えています」
-宮村さんのヘアデザインの発想の源になるものは?
「身近にあるものですよね。たとえば、水滴から『しずくヘア』のようなぷるんとした丸みのあるスタイルを発想したりとか。昔は自分の中の引き出しを増やす意味でも海外のトレンドを意識して取り入れたり、洋雑誌を見て勉強していたこともあるのですが、あるときからを一切見なくなって、すべて自分で描くようにしていましたね。普通に街を歩いていても感じるし、あとは海とか山とか風とか。でもやっぱり海がいいですね。女のコの髪が風になびいているのを見て、『あ〜これをうまく表現できないかな』とか。すっごいバカにされますけどね(笑)。
でも、そういうくだらないことを編集さんとかに適当に言うわけですよ。それで、当たったら『よし!』って感じで」
-今秋冬はどういうデザインが来そうですか?
「鎖骨下くらいのレングスですね。髪色はベージュとかアッシュ系で、柔らかく見えたり、インスタ風におしゃれに見えるスタイルですね」