「日本の美容師として生きているなら日本髪を結えた方がいい」FEERIE代表・新井唯夫さん

2017.02.08

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日本人女性が日本髪を結う機会はめっきり減り、機会がある人で七五三や結婚式くらいでしょうか。それにともない、日本髪を結える美容師さんも減ってきました。今回お話を伺ったのは、日本髪の教材を監修し、自らも日本髪講習を行なう、FEERIEの代表・新井唯夫(あらいただお)さん。

 

洋髪をオーダーされることが多いので、日本髪はあまり仕事に生かせない、と思う美容師さんもいるかもしれません。しかし日本髪を学ぶことはキャリアアップに繋がる要素もあるんです。そんな日本髪の魅力を新井さんに語っていただきましょう。

 


美容室で結っているのは伝統的なものをカジュアルにした“なんちゃって日本髪”

 

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―最初に、日本髪の歴史を簡単に教えてもらえますか?

 

いわゆる日本髪の形になったのは江戸時代からです。それまでは、垂らし髪(下して束ねる)のような感じで、ただ縛っているだけというか。またそのはるか昔、弥生時代ですと、2つに束ねていましたよね。時代によって形は違うんですが、たいていは髪を切るというよりは束ねたんですよね。それを束ねて形にしていったのが江戸時代。

 

『日本髪』としてイメージするような“文金高島田”だとか、江戸時代のドラマや歌舞伎などに出てくるような形は、江戸時代が始まりなんです。初期の時代には、ただ束ねて形を作っていっただけなのですが、中期・後期になると、それに名前がついてきたんですよね。例えば、“島田曲げ”、“勝山曲げ”など100種類以上あります。そののち、明治時代に入るとだんだん洋髪的な要素が混じってくるわけですね。

 

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文金高島田 ©女性モード社『平成日本髪入門』

 

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勝山曲げ ©女性モード社『平成日本髪入門』

 

―ということは、現在、残っているのは、江戸時代の日本髪なのでしょうか?

 

明治時代に洋文化と共に束髪が入ってきて日本人の髪型も少々変化したのですが(その後も日本髪が復活したり、束髪が増えたりし、“髷”の種類は100種類以に)、明治、大正、昭和を経て、結果的に現代の中に残っているのが、“島田曲げ”か“勝山曲げ”。それ以外でいうと、舞妓さんがやっているようなスタイル。これは“割れしのぶ”と言うのですが、サイドに広がりがあって、トップに曲げが高くないスタイル。襟足もキュッと上がっています。3つとも同じように、前髪、トップ(まげ)があって、サイド(びん)、襟足(たぼ)とセクションはちゃんと分かれているんですが、大きさとか毛流れ形などが違うんです。その伝統的な日本髪に対して、今現在、美容室で結うことができるのが“新日本髪”と呼ばれるもの。いわゆる、なんちゃって日本髪です。

 

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割れしのぶ ©女性モード社『平成日本髪入門』

 

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新日本髪 ©女性モード社『平成日本髪入門』

 

 

>文化継承の使命感から本を出版

 

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