『英語でしゃべらナイト』で活躍! 元NHKアナウンサーが教える外国人とのコミュニケーション術【前編】

手本にするべきはあのリアクション芸人! クスッと笑える“切り返し英語”を持とう

 

 

正確な英語を気にするばかりに、しゃべれなくなっては本末転倒。距離を縮めるどころか、微妙に気まずい空気が流れてしまいます。そこで、体当たりのコミュニケーションに自信が持てない人は、ぜひお手本にしてほしい芸能人がいると松本さん。

 

「出川哲朗さんですね。人気テレビ番組の『世界の果てまでイッテQ!』に、『出川イングリッシュ』というコーナーがあります。そこで出川哲朗さんが与えられたミッションをクリアするべく、海外で現地の人に尋ねまわるのですが、出川さんの英語力は、自由の女神を『ニューヨークドール』と表現するなど、決して上手ではありません。ただ、なぜか皆足を止めて、出川さんの話に耳を傾けてくれるんです。かたや帰国子女で、英語が流ちょうな河北麻友子さんが声をかけると、時間ないからといって断られてしまうケースが多いように思われます」

 

これこそ、外国人とのコミュニケーションにおいて、大切にするべきことを表しているとのこと。

 

「つまり英語が上手いかどうかは関係ないということです。出川さんは身体全体で話し掛けてくるから、皆『何を言おうとしているんだろう?』と気に掛けてくれる。流暢さよりも一生懸命さの方が勝る分かりやすい例ではないでしょうか」

 

もし、相手の外国人の顔に「?」が浮かび、心が折れそうになったら出川さんを思い出してほしいとのこと。そして、どうしても不安な人は、鉄板の“切り返し”を1つ持っておくといいそうです。

 

「一生懸命単語を繰り出しても、相手に響いてなさそうだったら、逆に距離を縮めるチャンスです。たとえば、

 

『Make sense? No? OK! Second Plan!』

(分かった? ダメ? じゃあ2つ目のプランに行こう!)

 

と言って、別の単語を繰り出してみるとか、

 

『I studied English from Japanese-English textbook…so, now I’m like this』

(私は日本語のテキストで英語を学びました。だから、こんな感じです)

 

と自虐交じりのことを言うと、ほぼ確実に笑ってくれます。こうした“クスッと笑える切り返しができると、距離がぐっと縮まるとはずです」

 

目と目をしっかり合わせて片言でも一生懸命会話しようとすること、そして相手がちょっと笑える切り返しを持つこと、この2つを心得ておくことで、外国人も親近感を抱いてくれそうです。【後編】では、さらに外国人との距離が近まる会話のコツを学びます!

 

(取材・文・写真=末吉陽子)

 

プロフィール
松本和也(まつもと・かずや)さん

音声表現コンサルタント・ナレーター。1967年兵庫県神戸市生まれ。私立灘高校、京都大学経済学部を卒業後、1991年NHKにアナウンサーとして入局。奈良・福井の各放送局を経て、1999年から2012年まで東京アナウンス室勤務。2016年6月退職。7月から「株式会社マツモトメソッド」代表取締役。アナウンサー時代の主な担当番組は、「英語でしゃべらナイト」司会(2001~2007)、「NHK紅白歌合戦」総合司会(2007、2008)、「NHKのど自慢」司会(2010~2011)、「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」「NHKスペシャル(多数)」「大河ドラマ『北条時宗』・木曜時代劇『陽炎の辻1/2/3』」等のナレーター、「シドニーパラリンピック開閉会式」実況に加え、報道番組のキャスターなどアナウンサーとしてあらゆるジャンルの仕事を経験。
https://www.diamond.co.jp/book/9784478069639.html
http://matsumotomethod.com/

 

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