リピート率95%、予約は1年先まで埋まるサロン。奇跡を実現するichiオーナーが語る“業界思考にとらわれない”サロンブランディング論

安定は衰退の兆し。うまくいっているときほど客観視する意識を!

 

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-オープンされて14年。コンセプトをブレさせずに、サロンを進化させていく秘訣は?

 

企業理念はずっと変わらないものです。この理念をもとに、僕らは時代に合った価値をつくっていくという考え方なので、ソフト面は柔軟に変化させてきましたし、これからも微調整や表現方法を変化させていく可能性はあります。

 

新しいメニューをつくるようなことはもちろん、価値を共有できる他業種の方とのコラボレーションも積極的にしています。下の写真は「スガハラガラス」さんとつくった、ヘアケアボトルです。これは1本12,000円以上するのですが、これを価値として認めてくださるお客さまには評価されています。こういった試みも、『ichi』の価値をより高めていくと感じます。

 

すべてはどのように価値観を再認識して高め、それを共感共有するかだと思っています。コラボレーションする他業種の方ともそうですし、お客さまともそういった関係を目指しています。

 

完全紹介制のこのサロンには日本各地からお客さまがきてくださって、早い方は1年先までご予約してくださっています。スタッフもオープン以来、有資格者は離職0です。これこそ徹底してきた価値観に対する共鳴が起きている証なのかもしれません。だからこそよりその輪が広がるよう、さまざまな場面で創意工夫と特徴を強化し、磨いていかなければと思っています。

 

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ハンドメイドのガラスブランド「スガハラガラス」とコラボしたガラスボトル

 

-石井さんご自身の進化の秘訣はなんでしょうか。

 

常に磨いていることは、マインドセット。考え方や判断基準がクリアであると迷うことがありません。そして常に前進成長と目的達成をするためには、マインドセットのもとメソッドチェンジをすることで一時複雑化することを整理したり、不要事項を簡潔にすることができます。特に順調と感じるときほど、主観と相反する視点で物事を見つめます。客観的な視点に立つと、思わぬ要点に気づいたり、さらなる前進成長のヒントがあったりしますから。ときには壊すことも必要ですし、それによりさらなる次元に到達するきっかけとなることもあります。

 

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2014年には店舗裏手の日本家屋に「ichi茶寮」をオープン。抹茶と自然農法野菜を使用した季節のオリジナル和菓子でもてなし、心も身体もリラックスできる特別な時間を提供する

 

プロフィール
ichi
代表取締役/石井 孝治(いしい こうじ)

1974年生まれ。邦楽家と事業家のもとに生まれる。2003年、埼玉県さいたま市に「ライフスタイルをデザインする」をコンセプトに『ichi』をオープン。創業前から他業種研究、海外視察を重ね、従来の枠にとらわれない独自のビューティビジネスを行っている。

 

(取材・文/福田 真木子  写真/QJナビ編集部)

 

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