ベトナム戦争をモチーフにしたヘアショーが全ての原点 -特殊メイクアップアーティストと美容師の関係-

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『TVチャンピオン』(テレビ東京系)の「特殊メイク王選手権」で連覇した経験を持つ特殊メイクアップアーティストのJIROさん。「天使の様な表現力と悪魔の様な技術力」を武器に、映画やドラマのみならず幅広い分野で活躍しています。今回は彼のルーツに迫ってみました。

 


 

前代未聞、戦闘機の爆音が轟くステージ

 

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もともとは多摩美大でガラス工芸、東京芸大で彫金を学んでいました。ところが、やればやるほど「材料に縛られない表現がしたい」という気持ちが膨らんできたんです。ちょうど映画の『リング』と『らせん』が流行っていたころで、特殊メイクのメイキングを見たとき、「こういう表現も面白いな」って思ったんですよね。

 

それがきっかけで特殊メイクの専門学校に通うことに。ちょうどハロウィンの制作で忙しいとき、URという美容室から「ヘアショーを手伝ってほしい」という依頼がきまして。表参道のお店に出向いてみると、金髪でデカいサングラスをした川島さんっていう社長が、金色のソファにドカッと座っていた。それだけでもう威圧されているのに、「ベトナム戦争をモチーフにしたヘアショーをやる」といわれたんです。驚きましたよね。

 

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学生仲間と一緒に、そのステージを手伝ったんですが、いきなり頭に自動車部品のスクラップや配線なんかを巻きはじめたので度肝を抜かれました。仲間も傷口をつけてみたり、口裂けにしてみたり、グロテスクなメイクを施していて、自分が想像していたヘアショーのイメージとは全く違うステージに…。でも、戦闘機の爆音が轟くショーなんてないし、スポットで照らされるモデルの姿はものすごくカッコよかったんです。そのヘアショーがきっかけで、川島さんと意気投合して会社を作ることになり、特殊メイク・造形工房『自由廊』が誕生しました。

 

>売れない芸人のような生活

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