“曲がる縮毛矯正”を発案。22歳で起業して大阪3店舗、さらに出店が続々。業界をリードする浪速の規格外ルーキー加藤敦貴のレベチな思考法
毛流れをつけるニュアンスパーマから“曲がる縮毛矯正“が爆誕
――トリートメントメニューから、メンズヘアにどのようにシフトしていったんでしょうか。
トリートメントメニューをしていたのは、最初の3ヵ月だけなんです。その間にお客さまから彼氏さんやご友人を紹介していただいて、少しずつメンズのお客さまを増やしていきました。メンズのメニューは毛流れをつくるニュアンスパーマを発信していたんですけど、それもバズりました。ただ、クセ毛の方は綺麗に仕上げられないので、最初はお断りしていて。その度にお客さまをがっかりさせてしまいますし、クセを伸ばして毛先を曲げられたらいいのに…と思って実験してみたら、それがうまくいったんですよ。それを友達にも施術していき、これはイケると。

――縮毛矯正の技術は、どのように習得したんですか?
これはオンラインのセミナーを受講しまくって、縮毛矯正や酸性ストレートなどの幅広い動画を見て勉強しました。酸性ストレートなどは、根本は違うんですが、ケミカルの中間処理や後処理など参考になる処方も多くて。それらを全て自分で詰めていって、形にしました。“曲がる縮毛矯正”の理論を完成させるまでに、半年くらいかかったかなという感じです。
――そのメニューが大ヒットメニューになって、売上がうなぎ登りに?
ありがたいことに、マンツーマンで月最高売上300万円までいきましたね。新規は98%が“曲がる縮毛矯正”をオーダーします。一度、施術を体験するとお客さまが離れないので雪だるま式に増えていって。日本人の7〜8割がくせ毛という統計があり、縮毛で髪がきれいに伸びて柔らかい毛流れもつけられるということになれば、母数を取れるのは間違いないという確信もありました。そんな中、専門時代の同級生が「給料安い」「休めない」などと悩んでいたので、「お店を作るから一緒にやろうよ」と。そこから法人化して、出店することになったんです。
スタッフに技術を落とし込むために、仕組み化も図りました。僕はもともと感覚派の人間なので説明が得意なタイプではないんですけど、今後のことを考えて、施術を理論化し、しっかり伝えていけるようにしたほうがいいなと思って。次第にセミナーのお声がけもいただくようになり、そこでまたより深掘りして、技術が完成した形です。

クセ毛に悩む幅広い年代が来店。マンツーマンで月500万!?
――メンズの縮毛矯正には、高いカット技術も必要ですよね。
おっしゃる通りです。とくに曲がる縮毛はデザイン性もからんでくるので、どこに丸みがほしいか、どんな毛流れがほしいかというところは、ある程度カットで作らないといけないんですね。僕はアシスタント経験がほとんどなく、基本的にカットは独学です。でも動画や本から学ばせていただいたり、SNSやYouTubeを見ることでたくさんの美容師さんから学ぶことができました。時代に助けられましたね。あとは、いろんなお店に実際に切りに行って、やり方を聞きました。とにかくカット経験を積むことが一番の上達の近道だと思って取り組んできたので、こなしてきた数には自信があります。
僕のお客さまは複雑履歴の方が多いので、難しい施術を毎日やってきたんですよ。1日最大で8人施術するんですが、サロン経営をしながら、プレイヤーとしての月売上は今も250〜300万円です。ulusの1人頭の生産性も、250万を超えています。僕らは全員マンツーマンなんですが、2列で技術売上500万という記録を出しているスタッフもいます。マンツーマンでも、ここまで売上が出せる施術なんです。

――セミナーもされていると思いますが、この技術はマスターするまでかなり時間がかかるんでしょうか?
似合わせや髪質の判断、カットなども含め、さまざまなことができて完全マスターになると思うので、ゴールにたどり着くためにはある程度の時間がかかる技術かなと思います。でもクセ毛に悩んでいる年齢層は幅広いので、ニーズがあるんですね。僕のお客さまは、小学生から50代までいます。”曲がる縮毛矯正“はがっつり毛流れをつけることができますし、前髪のあるマッシュで丸みを出したり、ダウンパーマも合わせて施術できますから、骨格をきれいに見せていろいろなスタイルが可能なんです。
