【YouTube日本髪】この美しい日本文化を失いたくない!戦後まもなく開業した山﨑伊久江美容室にて“やまと髪”の秘技を完全収録
ベル・ジュバンスって何?日本初の弱酸性パーマ誕生
ー初代・山﨑伊久江さんは、弱酸性パーマの開発者としても歴史に名を残されています。山﨑伊久江美容室では1963年から独自で開発したパーマ剤を使用していると伺い驚きました。
祖母が1952年にオープンした美容室が、ちょうど東京大学の目の前にあったことから、大学教授や研究員たちがお客さまとして来られていたとか。その頃はコールドパーマ全盛の時代で、パーマによって髪がどんどん傷み、美容師の手が荒れてくることに疑問を持った祖母が、大学関係者にパーマ剤の成分を調べてもらったそうなんですね。するとコールドパーマに含まれるアルカリは、皮膚や髪を老化させる性質だと分かって。そこから祖母の研究が始まり15年かけて、傷めることなくパーマをかける、弱酸性パーマ液の開発、製品化につながったんです。
1952(昭和27)年、山﨑伊久江美容室 白山店設立 @ikue-yamazaki.co.jp
今でこそ「髪質改善」という言葉が一般化していますが、実は祖母は60年前から「髪質改善」に着目し、世界に先駆けて弱酸性美容法を実践していたんですよね。その後は何度も技術改良を重ねながら、日本全国で勉強会を開催しています。ベル・ジュバンスとはフランス語で「美しく若返る」という意味なんですが、先代が作りあげたベル・ジュバンスブランドは半世紀以上の歴史があることが強みです。弱酸性にこだわったさまざまなプロダクツを用意し、ヘアエステもカラーも弱酸性のベル・ジュバンスで施術を行なっています。
1913(大正2)年、先々代が文部省認可・本郷お茶の水東京婦人美髪美容学校創立 @ikue-yamazaki.co.jp
ーSALON IKUE YAMAZAKIへとサロンの名称が変わった今でも、教育カリキュラムの中で日本髪や着付けを指導されているんですね。
二世代、三世代と長く通い続けるお客さまも多いですし、スタッフ自身も日本の伝統美を継承していきたいという思いから、「やまと髪」はもちろん、着付けも学びます。着付けもまた衣紋道(えもんどう)という伝統文化の一つですからね。着物の持ち方や動作一つひとつに意味があり、それを学びながら成長していくのです。
今は、外国人のお客さまも日本文化の体験の一つとして着物や日本髪に注目しています。美しくも希少な伝統技術、日本髪を結うことのできる美容師として、日本人ならではの美的感覚をこれからも磨き続けたいですね。
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- プロフィール
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株式会社山﨑伊久江美容室 代表取締役
2代目・山﨑伊久江(やまざきいくえ)
大学在学中、高山美容専門学校の通信課程で美容師免許を取得。フランス・パリにて1年間メイクを学び、山﨑伊久江美容室のブライダル部門に所属。2007年、祖母にあたる山﨑伊久江を継承し、二代目を襲名。現在、婚礼を併設したホテル内サロンを含め都内7店舗を展開。また一般社団法人日本弱酸性美容協会代表として、ベル・ジュバンス弱酸性美容法の普及活動も行なっている。
インスタグラム @ikueyamazaki_1913
(文/リクエストQJ 動画制作/トカジショウタ)
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