月の売上3万円代から大逆転! トリートメント一本で予約が取れない人気店に成長したサロン「BLOOMA」の秘訣とは?

すべてはお客さまのために。徹底して理念から落とし込む考え方を全スタッフと共有

 

 

BLOOMAのトリートメントメニューを成り立たせているのは、スタッフによるカウンセリング力と、お客さまとの信頼関係。そのために欠かせないのが、BLOOMAが掲げている「クレド」です。

 

クレドとは企業の理念や志、そしてお客さまへの約束を簡潔な言葉で表したもの。内容は明かせませんが、それらをスタッフ全員が共有し、行動の指針としています。

 

さらにその下に、クレドよりもさらに具体的な行動指針の「7つのミッション」があります。例えばその一つに「明日、朝のテンションを上げる」というものがあるのですが、これは来店されたお客さまが翌朝、髪をセットするときに「やっぱり違う!」と感動してもらうということです。施術の直後にスタイルが決まっているのは当たり前。そうではなく、本当にお客さまのライフスタイルに寄り添って、翌朝まで明るくしようという志の現れです。

 

このようなミッションを遂行するためには“武器”が必要です。その武器の一つが、スタッフのトリートメント技術なのです。このように、考え方として「クレド>ミッション>技術・施術メニュー」という順番があり、全スタッフにそれをしっかりと落とし込んでいることが、BLOOMAのクオリティにつながっています。

 

クレド経営で全スタッフが3カ月でスタイリストデビュー1年以内に月売上100万にまで成長

 

 

クレドで掲げていることは、僕の美容師としての30年の知識と経験をもとに、無駄なものを削ぎ落として凝縮したもの。これから育っていく美容師たちには必ず役立つことですし、僕自身が迷ったときに立ち返る言葉でもあります。

 

経営者というのは自分が判断しなくてはいけない場面がたくさんあります。その経営者がブレたり迷ったりすると、ついていく側は不安じゃないですか。クレドがしっかりしていれば、僕らが向かう方向は常に一つでいられるんです。

 

またこの考え方で指導すると、美容師の成長は早くなります。お客さまを喜ばせるために、今の自分に必要な技術を自ら習得したいと思うから、吸収が速いんです。技術習得が目的になると何に使えばいいかもわからず、なんとなくがむしゃらなだけの勉強になってしまいます。そうではなく、クレドに必要な武器として重要性を感じるからこそ、スタッフが自走して成長する。BLOOMAでは全員アシスタントから採用しているのですが、クレドから落とし込む教育スタイルのおかげで、ほとんどのスタッフが3カ月でスタイリストデビューし、1年以内に100万/月の売上を達成するようになります。

 

人材不足が叫ばれるなか、何年もかけて数々の関門をクリアしスタイリストデビューするという従来の方法は、美容業界全体が萎縮していってしまう要因の一つじゃないかと思っています。だから、クレドから落としていくBLOOMAの教育形態は、今後の美容業界を救うと思っています。

 

人気が出ればいいというわけではない! まずは店舗を展開し「予約が取れない」の解消へ

 

 

そういう意味でも今後は教育に力を入れていきたいと思っています。今までの美容専門学校とは違う、実践的な学びの場をつくりたいと模索しているんです。

 

それ以外でも、もっと美容が楽しくなって、女性が髪に触れる機会の増える技術の発明もしていきたいと思っています。まだ表には出せないのですが、どの案もドラえもんの道具のようなものばかり。「そんなの、作れるわけない!」と思えるかもしれませんが、実はすでに研究開発をはじめているものもあるんですよ。あとは、個人的な夢だと、僕は“世界で最初に宇宙空間で髪を切った美容師”になりたいですね。とにかく聞いただけでワクワクするようなことが好きなんです。

 

とはいえ、その前に予約が取りにくくなってしまった現状を打破することが早急の課題です。「予約が取れない」というと超人気店でいいことのように聞こえますが、お客さまに快適に通っていただける環境ではなくなってしまっているということでもあります。それでは、お客さまとの「クレド」を守れなくなってしまう。ただ人気が出ればいいということではないんですよ。そのため、今後はまずBLOOMAの店舗展開に取り組んでいきます。2020年2月には表参道に新店舗を開店予定、今後さらに広げていきたいと思っています。

 

 

プロフィール
COBRA/BLOOMAオーナー美容師

和歌山県出身。大阪で美容師として活動を開始したのち上京。数店舗の美容室経営に携わり2017年にトリートメント専門店「BLOOMA」をオープン。SNSを中心に口コミが広がり、予約が取れない人気店として注目を集める。赤い髪がトレードマーク。

 

 

(取材・文/若月美沙、撮影/河合信幸)

 

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