カラーは家でする時代に? コロナ禍ではじめたオンラインカウンセリングで見えた展望とは

 

新型コロナウイルスの影響で新しいライフスタイルが求められる今、ヘアサロンもまた変化を余儀なくされています。そんな中、オンラインのビデオ会議ツール(Zoom)によるカウンセリングをはじめたサロン「HONEY」。

 

オーナーの1人で今回のオンラインカウンセリングを牽引した小田泰之(おだ やすゆき)さんは、数年前からオンラインカウンセリングによるホームカラーのサービスを構想していたそう。その先駆けとして、2019年10月にはweb上の診断でパーソナライズされたカラーが自宅に届くサービス「COLORIS(カラリス)」と提携し、LINEを使ったユーザーへのアドバイスにも取り組んできました。

 

今回、予想外の事態により急遽はじめることになったオンラインカウンセリング。なんと1時間以上かけて、お客さまがビデオ越しに自分でカラーするのをサポートしたこともあるといいます。実際に導入してみて体感したメリットや難しさ、今後の展望などを伺います。

 


 

創業時から時代の変化を見据えてIT人材を経営陣へ

 

 

「HONEY omotesando」は、以前働いていたサロンの同期と2014年に立ち上げました。その後2016年に横浜、2018年に渋谷と店舗をオープンし、今では26名のスタッフを擁するグループとなっています。

 

美容室でありながらオンラインを強化し、既存のサロンワーク以外に何か取り組もうという考えは、起業当時からありました。起業前の話し合いの中で「これからはITの時代。今から事業を興すならITに強い人材が必要だ」という意見が出て、ITの知識がある人材が経営陣に入れば既存の美容室経営に留まらないさまざまな事業を展開できるだろうと考えたんです。そこで、メンバーの友人でIT業界に詳しい高橋一成(たかはし かずなり)を経営陣に迎えました。

 

私自身も、美容室の「店舗を構えてお客さまを待つ」という既存の経営方法では古いと、当時から思っていました。そして、お客さまを待っている受け身の体制ではなく、IT技術を使ってもっと広い層にアプローチできる方法はないかと考えていました。

 

その構想の1つが、オンラインでのカラーカウンセリングです。3〜4年ほど前から「カットは来店しないとできない技術だけど、カラーは商材があればオンラインでも可能なのではないか」という仮定から、オンラインでカウンセリングをして、カラー剤を販売し、施術方法をレクチャーするという一連のスキームを構築できないかと模索していました。

 

COLORIS」と提携し、オンラインでユーザーアドバイスをスタート

 

そんなときに「COLORIS(カラリス)」というサービスを高橋の知り合いから紹介されたんです。アドバイザーとして提携してもらえないかと声をかけていただきました。

 

「COLORIS」は、オンライン上で質問に答えていくことでパーソナライズしたカラー提案をし、それに合ったカラー剤を購入できるというサービスです。送られてくるキットの中やサイト上に施術マニュアルはあるのですが、「本当にこのやり方であっているのかな?」「ブリーチしているけど、本当にこの色になるの?」など、細かい疑問や不安を持つユーザーへのフォローが必要だということで、プロの美容師である我々がアドバイスすることになりました。

 

具体的な方法は、LINEを使ってのテキストメッセージのやりとりです。ユーザーから送られてきたお悩みや疑問に、その都度答えていきます。昨年の10月頃からはじめたのですが、最初はほとんど質問がきませんでした。

 

ところが外出自粛要請が出た3月頃から増えはじめ、4〜5月は1日に4〜5件ほどくるように。この状況下で「COLORIS」に注目が集まりユーザーが急増したんです。予想以上に増えてしまったため、現在は一時的にLINEカウンセリングをお休みさせていただいていますが、ホームカラーのニーズがこれだけあるということが実証されたと感じました。

 

>カメラ越しにウィッグを使った工夫も! オンラインカウンセリングの実際とは?

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