trip salon un. 湯浅一也さんと櫻庭太さんが伝えたいこと 「訪問美容師だけでなく、誰もが介護の知識を身につけるべきです」

ひとりでも多くの外出困難な方を助けたい

 

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-訪問美容は美容師としての技術だけでなく、“介護士”としての技術も必要になるのではないでしょうか?

 

櫻庭さん「そうです。なので介護士さんをお招きして介護の講習会を開くなど、常に勉強をしています。それにtrip salon un.のスタッフはみんな、美容福祉士の資格を持っています」

 

湯浅さん「中にはヘルパー2級の資格を持つスタッフもいるんです。」

 

櫻庭さん「訪問美容師になるための特別な資格はいりません。ただお客さまからの信用のためにも、資格は取っています」

 

-ひとつ気になったのが、「訪問美容はビジネスとして成り立つのか?」という部分です。

 

櫻庭さん「税理士さんからもそのことを言われました。でもちゃんと成り立ちます。なぜなら店舗代も、光熱費もかからないんですから。経費は人件費とシャンプー台をはじめとする機材・材料代だけです」

 

湯浅さん「しかも店舗と違って、お客さまを待つ必要はないですよね。たとえば雪の日も、僕らがお客さまのところへ行けばいい。店舗だとお客さまがキャンセルしますよね。でも僕らの場合は営業できる」

 

櫻庭さん「先ほども申し上げたように、勤務時間が9時から5時までなのも魅力のひとつです。働く環境がいいので、うちのスタッフは誰も辞めないんです。スタッフのなかには、子どもを持つお母さんもいます。せっかく国家資格を持っているのに店舗で働けないママ美容師さんもいるのが現状です。でもうちならお母さんも働けます」

 

-trip salon un.をこれからどう展開していこうと考えていますか?

 

湯浅さん「過疎地など訪問する地域の範囲を広げたいです。過疎地にいる美容師さんは年配の方が多いんですけど、若い僕らの力を発揮したい」

 

櫻庭さん「訪問美容や介護業界を明るくポジティブなものにしていきたいです。僕たち自身もメディアやパンフレットなどに出させてもらって、訪問美容の存在をアピールしています。もっと訪問美容師が増えていってほしいですね」

 

湯浅さん「外出困難の方って本当に多いんですよ。そういう方を一人でも多く助けていきたい」

 

-これから訪問美容はどう発展していくと思いますか?

 

櫻庭さん「高齢化のピークは10年後と言われています。なので訪問美容はこれからどんどん伸びていくと思います」

 

湯浅さん「訪問美容師だけでなく、時代の流れとして、誰もがみんな介護の知識を持っていないといけないと思います。もちろんサロンで働く美容師さんもです。寝たきりの方のカットの仕方や、車いすの動かし方など、知ってほしい。外出困難な方も美容室に行きたい気持ちは変わらないんです。その願いを僕らは叶えるんです」

 

プロフィール
株式会社 un.
代表取締役/湯浅一也
札幌の美容専門学校を卒業後、studio V 原宿店に入社。5年のアシスタント期間を経て、転職先の美容室で櫻庭太さんと出会い、株式会社 un.を設立。現在は訪問美容サロンtrip salon un.の運営のほか、講演会やメディア出演なども行なっている。

 

プロフィール
株式会社 un.
代表取締役/櫻庭太
東京の美容専門学校を卒業後、AVEDA南青山、TIECHELで人気スタイリストに。2012年に湯浅一也さんと共に株式会社 un.を起業し、trip salon un.を運営。講演会やメディア出演を通じて“訪問美容”を広める活動も行なっている。

(取材・文/QJナビ編集部)

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