ICHIGO×森越道大が語る「美容業界の未来」と「デジタルの可能性」とは?デジタル時代を勝ち抜くブランディング・教育・SNS活用の真髄

 

“伸びしろ”だらけのアイ業界

 

 

――ICHIGOさんは、美容師からアイラッシュ業界に移ったきっかけは何だったのでしょうか。

 

ICHIGO:私は中国出身で、幼少期に日本へ来ました。千葉の美容学校を卒業後、そのまま地元の人気サロンに就職。誰よりも練習に打ち込み、2年目にはスタイリストデビューを果たしました。モデル探しも積極的で、千葉のショップ店員さんで可愛い人を見つけるたびに声をかけてはモデルになってもらっていました。ところが、いざデビューしてフリー客に入ろうとしたら「日本語がまだ不十分だからダメ」と言われたんです。

 

森越:そんなことがあったんだ!?

 

 

ICHIGO:はい。私の日本語能力は入社時からわかっていたはずなのに…と。とても悔しかったですし、理不尽に感じました。でも今振り返れば、あの経験があったからこそ「このままでは終わらない」と強く思えたし、自分の道を切り開く決意につながった。だから感謝しているんです。もしあのまま順調に美容師を続けていたら、今の私はなかったかもしれません。そんな矢先、忘れもしない2013年のBWJ(ビューティワールドジャパン)で、アイラッシュのブースが突如巨大化し、人だかりができている光景を目にして衝撃を受けました。学生時代から通っていたBWJだったので、その変化が鮮烈で、「これはアイの時代が来た。来年6月に自分の店を出そう」と決めました。

 

BWJで一際注目を集めているMinMinブース

 

森越:さすが(笑)。

 

ICHIGO:そして翌年3月に退社し、2カ月間の準備を経て6月に予定通りオープンしました。技術はその準備期間中に独学で習得。友人に頼んで一人3人ずつモデルを集めてもらい、ひたすら練習しました。マンションの1室からのスタートで、経営知識もほぼゼロ。「場所さえあればできるでしょ」という感覚でした(笑)。商材はBWJでひと通り揃えました。

 

森越:行動力すごいな。

 

ICHIGO:集客のために、ネイルやドライヘッドスパ、夜はキャバ嬢向けのヘアセットもメニューに加えました。チラシを作って近くのデパートへ行き、婦人服やジュエリーのテナントをすべて回って手渡しました。営業時間は朝8時から夜11時までに設定し、仕事前や帰りにも立ち寄れるようにしたんです。結果、初月はほぼデパートの店員さんで予約が埋まりました(笑)。さらにキャバ嬢たちには「トイレにチラシを貼ってほしい」とお願いしたところ、そこからもお客さまが殺到。オープンから半年で、予約が半年待ちになるほどになりました。

 

2014年、アイサロンをスタート。現在は教育、コスメなど幅広く事業展開

 

森越:飛躍ぶりが見事です。

 

ICHIGO:チラシと口コミでお客さまがたくさん来てくれるようになったんですけど、インスタにも助けられましたね。今させていただいている講師業も自社商品の販売も、インスタの力が大きいです。

 

森越:デジタルの力ですね。技術も大事ですけど、それをもっと多くの人に届ける仕組みを持てば、可能性は無限に広がりますから。インスタは自分でやってるの?

 

ICHIGO:全て自分でやっていて、アドバイスをいただいたことは一度もないですね。トップ画像もぐちゃぐちゃですし(笑)。やりたいことをやっているだけなんです。

 

森越:それが一番いいよね、本質的で。

 

 

ICHIGO:ありがとうございます(笑)。アイ業界って、伸びしろも大きいのが魅力だなと思っていて。日本人でアイラッシュサロンの経験率は、女性が17%台、男性が6%台なんですね(2024年上期、(株)リクルート ホットペッパービューティアカデミー調べ)。男性は一桁ですけど、まつ毛をパーマで上げると印象が大きく変わるんです。目の印象が大事な営業職の男性は、とくにアイキャッチが大事なのでおすすめなんですよ。森越さんもされた方がいいですよ。

 

森越:じゃあ、やってもらおうかな。

 

ICHIGO:私は月1枠だけ予約を解放しているんですけど、10万円です。

 

森越:高っ!(笑)

 

――後編に続く

 

(文/織田みゆき 撮影/松林真幸 MIKAN inc)

 

 

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