【舞台に立つたび、技術が覚醒する】ADITIONいさなが振り返る。ヘアショーが技術を「芸術」に変える瞬間

 

技術は“現場”で、感性は“舞台”で磨かれる

 

 

―ステージのいさなさんは、それが大舞台であっても、普段のいさなさんそのものです。実際はどんな気持ちでステージに立っているのでしょうか? 

 

ヘアショーは、単なるパフォーマンスではないと思っています。自分の表現を試し、評価される場であり、技術と感性を磨く“学びの場”。だからステージに立つというチャンスを得たからには、そのチャンスを存分に生かして、技術と感性の両方を鍛えたいという、真っ向から挑む気持ちで臨みます。

 

さらに、ヘアショーではモデル選びや衣装、動き方まで含めた“トータルでの見せ方”を意識する必要があるんですよね。これはもう、サロンワークとは全く別物。自分がどう見られているのか、表現者としての自分の立ち位置を確認しつつ、シビアに自己分析することが大事。そして自分だけが表現できることは何かを考えてテーマを決め、全体の演出を考えていきます。

 

 

「ステージに立つのが好きだから」ではなく、「表現したいから舞台に立つ」というのが僕のスタンスです。舞台に立つ前、思わず心が高ぶって「やったるぜ!」という気持ちです。どんなに大きなステージでも、緊張や不安を感じたことはありません。自分が表現したことが、観客の皆さんが見てくれて、それが反応として返ってくる。それが一つのクリエーションだと思っているので。

 

僕にとってのヘアショーは、すごくワクワクするものです。いつも通り練習して、いつも通りの姿勢で本番に向かう。それが一番ブレないんです。しっかりと準備することで、集中力と平常心のバランスを保てる。その軸があるからこそ、ヘアショーという特殊な環境でも最高のパフォーマンスを発揮できると思っています。

 

「美IG-BANG」では、fifthの木村允人さんと共に出演

 

 

スポットライトの熱が、自分を燃やす

 

 

―ヘアショーのステージは、どんな風に組み立てていくんですか? 

 

まずは出演を依頼してくれたクライアントの要望を優先し、そこから会場規模や開催趣旨なども考慮してテーマや表現を考えます。何度も打ち合わせを重ねながら、内容を練り直します。でも、自分なりの“表現の軸”があるので、そのベースは決してぶらさない。ステージに立つ美容師に大事なのは『自分の見せ方を理解しているかどうか』だと思います。自分の“表現の軸”を理解することで、限られた時間の中でも観客に最大のインパクトを届けられるんです。




―依頼ベースで考えつつも、しっかり自分の“表現の軸”を保つ――。まさにヘアショーならではの緊張感とクリエイションですね。ステージは一瞬で勝負が決まるからこそ、軸がある人は強いと感じます。
では、その“表現”を最大限に引き出すために欠かせないのがモデル選びだと思うのですが、普段どんな基準でモデルさんを決めていますか?

 

僕の場合は、まず遠くからでも映えることを意識して、身長が高くスタイルの良いモデルを選びます。そして、トレンドファッションを着こなせる表現力があるかどうかも大事なポイントです。出演モデルには、動き方も含めた“トータルでの見せ方”を意識してもらう必要があるので、そのあたりも踏まえて選んでいます。

 

個人的に感じているのは、東京のステージはトレンド感度が高い分、評価もシビアになることが多いということ。その緊張感が、逆に表現力を引き上げてくれる感覚があります。だからモデル選びは絶対に妥協せず、自分からオファーします。地方でのヘアショーでも現地で手配することはほぼなく、事前にしっかり準備して東京から連れて行きますね。




 

>ヘアショーが解き放った、潜在力

 

 

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