「沢丸 保切」は世界のコンテストでなぜ評価されるのか? クリエイション未経験から今に至るまでの道のりを聞いた

 

荻窪に「jiyume」というサロンをかまえる沢丸 保切(サワマル ポキル)さんは、Japan Hairdressing Awards 2021「SALON TEAM OF THE YEAR」 Finalistなど国内外のビューティーアワードやフォトアワードでも高く評価されている人物です。そんな彼の現在に至るまでの軌跡や、世界で評価されるクリエイションのつくり方などを聞きました。クリエイションに興味がある美容師さん必見のインタビューです。

 


 

メイクを本格的に学んだのはオーナーになってから

 

 

僕は美容師になってからサロンを転々と渡り歩いています。大型店も個人店も、リーズブルなお店も見てきましたね。その中でお客さまとマンツーマンで向き合える働き方が自分に合っていたので、独立してからはずっとそのスタイルでやってきました。荻窪で店を構えたのは地元で土地勘もあるし、愛着もあったからです。

スタッフを雇うようになると教育が必要ですし、人が育つサロンにするためには集客力も不可欠です。そのため作品撮りにも積極的に取り組むようになりました。

 

 

ところが、僕にはメイクをする力も、撮影する力もなかったんです。メイクはいつもスタッフに「いい感じにお願いね」と曖昧なオーダーをしているだけだったので、仕上がりもそれなりのものになってしまいます。

 

 

きちんと理論に基づいてメイクを学びたいと思い、資生堂のSABFAでメイクを学ぶことにしました。メイクがある程度できるようになると、今度は撮影の力不足を痛感したため、写真の学校にも通うことにしました。

 

ヘアメイクアップを学びながら、一流プロの凄みに触れる

 

 

写真の学校では、自分の作品を写真の先生に講評してもらう機会があったのですが、「沢丸さんの作品はいいんだけれど、あまり日本向きじゃないね」と言われたことがあったんですね。それがきっかけで海外のコンテストを意識して見てみると、1枚のビジュアルに言語の壁を越えるインパクトがあったんですよ。

一概には言えないのですが、日本のコンテストはコンテストのテーマやトレンドの要素が、評価に含まれるものもあるので、それよりはビジュアル勝負の海外のコンテストが向いているかもしれないと思いました。

 

 

メイクと写真を学び、少しずつ自信がついてくると今度は、よりクリエイティブなヘアメイクをしたいと思うように。資生堂の原田忠さんのクリエイティブが非常に緻密に考えてつくられていることなどを知り、再びSABFAに通い、今度はヘアメイクアップを学ぶことにしました。

 

沢丸さん作品VEIL

 

広告やコレクションの現場で活躍している一流の講師から、技術や日々の心がけ、モデルさんをはじめとする周囲の人との向き合い方、プロの世界の厳しさなど、大切なことを学べたことは僕にとって財産です。

こうしてメイクと写真、ヘアメイクアップを理論と実践を通じて学んだことが、作品づくりにも大いに反映されています。

 

 

>アイヌ民族からインスパイアされた作品がIBIで世界一位に

 

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