異業種のカリスマに学ぶ vol.1 脳科学をお肉に転用したらどうなるだろう? 異業種の専門家との化学反応で新たな価値を生む 格之進 代表取締役 千葉祐士さん

他業種のエキスパートとの交流からイノベーションが生まれる

 

 

これはどの業種にも共通して言えることだと思いますが、誰かがつくったものを真似てもモチベーションは上がりません。自分が編み出したものでないと力が入らないものです。相手に伝わる熱量も違うと思います。だからこそ、誰もいない海に漕ぎ出すと決めてここまできました。

 

私がお肉の世界で新しい価値を提供できているのは、他業種のエキスパートと交流しているからです。飲食店の友人もいますけれど、他社の成功例を真似てもイノベーションは起こりません。

 

例えば、私の場合は交流のある人間工学、脳科学の研究者から学んだことを飲食で応用、再現するとどうなるか考えてみるんです。そうして「脳に働きかける体験型食品エナジーバーグ」が生まれました。脳科学者の藤井直敬さんと共同で開発したものです。

 

藤井さんとは7年前に知り合ったのですが、そのときから一緒にビジネスをしたいと言い続けてきたのです。藤井さんは「この人は何を言っているの?」って思っていたそうですが、私は藤井さんのVR(仮想現実)コンテンツに感銘を受けていたし、食に転用したら新しい価値が生まれるという確信がありました。

 

最初はビジネスができる根拠なんて何もありませんでした。でも、私は個人的に、周到な準備をして、立派な計画を立ててやってもダメだと思っています。大事なのは情熱。情熱×情熱×情熱で挑めば、何でも成し遂げられるんです。

 

新型コロナウィルスが、新しい世界をつくるトリガーになった

 

 

飲食はバーチャルではなく、リアルな世界ですよね。新型コロナウィルスの影響で、自粛を強いられ、私たちを含め多くの飲食店が大打撃を受けました。私たちのような飲食店を救済したいとkurashiru(クラシル)というレシピ動画チャンネルを運営している会社から申し出がありました。その2週間後には取引が始まり、2日で700万円弱を売り上げました。書類の確認とサンプル送付、撮影してECで注文をとるところまで、一度も直接会わずにビジネスをスタートさせています。2週間前は何の関係性もなかった2社が、直接会うこともなく連携して、2日で700万円弱を売上げる…そういう時代がはじまっているんです。

 

時間の価値も劇的に変化しました。オンライン化が進むことによって、人によっては1日が48時間にも72時間にもなると思います。リモートが増えて移動時間が減るというのは、誰もが思いつくことだと思います。それに加えて能力が高い人の場合は、同じ時間で2倍も3倍も仕事ができるようになるんです。というのも、東京大学の先端科学技術研究センター 教授、稲見昌彦さんは、2つの会議に同時に参加することがあるそうです。違う議題の会議に同時に参加するために、両耳を並行して使い分けているのだとか。1日のアウトプットがこれまでの2倍、3倍に増えているわけです。実際に移動していたらあり得ないことです。

 

 

さらにいえば、私はリアルよりオンラインによって実現されるVRのほうが人間らしいとさえ思います。それはどうしてか。オンラインの場合だと、自分の落ち着ける場所、馴染んでいる場所で話すことができるし、相手からのプレッシャーが伝わりにくくなります。リアルで、知らない人と会うのって緊張しませんか? 何を着ていくかも慎重に考えるし、話している間も気が張っていると思います。よくみられたくて、自分を装うことがあるかもしれない。それがオンラインの場合は、心を開いて、素の状態で話すことができる。これこそ本質的なコミュニケーションではないでしょうか。

 

こうしたマインドの変化や、新しく生まれたさまざまな需要を読み取り、因数分解して自分の事業に当てはめて考えてみる。そして、価値を最大化するために役立てていきたい。

 

「いやいや、リアルにかなうものなんてない。また元に戻るよ」と意識改革をしないままの人と、意識変革できた人との格差も広がっていくでしょう。デジタルやVRの本当の価値を理解して、情報を取りにいくことが欠かせない時代がきているのです。

 

>お肉の知識が増えれば増えるほど“知らない”ことに気づく

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