「好きな美容師ランキング2024」1位のいさなさんが振り返る2024年と2025年の展開、そして、美容業界への熱い思いとは!?
独立の夢から一転、ADITIONの代表就任! 美容業界が抱える課題にも挑んでいく

QJ編集部:そして、昨年末にはADITION代表就任のニュースも飛び込んできました!
いさな:そうですね。僕は、入社したときから25歳で独立したいと大石(ADITION代表大石啓慈さん)には伝えていて。今年がその年だったので、僕も求人やスタッフの教育など準備していたんです。大石はものすっごく懐が深いのでスタッフを連れて行くことも許してくれていて。本格的にどうしようかとなったときに、改めて二人でミーティングしたんです。
そこで、僕は「独立する夢を追いたいのも50%、ADITIONで美容師を続けたい気持ちも50%で迷っている」と、正直な気持ちを話しました。「volff」がそうだったように、自分が名前やコンセプトを決めたサロンでスタッフを率いていくのもすごくワクワクする。一方で、今、ADITIONにいるスタッフのことを愛しているし、このメンバーならもっとおもしろいことができると考えている部分もある、と。そうしたら、大石も同じ気持ちだって言うんですね。「いさなの夢を叶えてあげたい気持ちもあるし、ずっといてほしい気持ちもある」と。
それを聞いたときに、直感的にすぐ「じゃあ共同代表にしませんか」と口に出ていました。大石もすぐに「いいよ、そうしよう。」という感じで。

QJ編集部:そういうことだったんですね。代表就任後はどんな展開がありますか?
いさな:僕と大石で攻めと守り……という役割分担になっていくと思うのですが、僕がずっと考えているのは、若手美容師の未来をどうやって作るかということなんです。僕は新卒でADITIONに入社して、こうして代表という立場を得たけれど、新卒で入ったサロンを退社してしまう美容師さんもものすごくたくさんいますよね。目を輝かせながら面接に行って、憧れて入ったサロンだったのに、なんでそうなってしまうのか? それを見ているのは結構苦しいな……とずっと思っていて。僕がADITIONというサロンで大事に育ててもらえたからこそ、若手の離職はなんとかしたいとずっと考えていて、今後はそういった課題にも取り組んでいくつもりです。
QJ編集部:2025年の展望について教えてください。
いさな:5年間の美容師生活で得たことを最大限に引き出す年にしたいです。冒頭でもお話ししましたが、オフラインの活動で見えてきたものがすごくたくさんあります。それこそ、地方にもものすごくうまい美容師さんってたくさんいて、本当に尊敬する気持ちを新たにしたんですよね。僕はたまたまSNSで有名になったけれど、そのフィルターを外したときに残るものを考えると、まだまだな部分がたくさんあります。より巧みな技術を身に付けていきたいです。
ADITIONの共同代表にはなりましたが、経営者に専念することはありません。プレイヤーとしての立場で大石と力を合わせてADITIONを大きくしていきたいです。

QJ編集部:最後に、票を投じてくれた美容師さん、美容学生の方にメッセージをください!
いさな:僕のことを応援してくださる方々、そして同世代の美容師さんもぜひ、このランキングで1位を取ってほしいです! こうしたランキングには賛否両論がつきものですが、1位を取った人にしか感じられないことってめちゃくちゃあります。だから、美容業界に熱い思いを持っている人はみんな、1位取りにいきましょう!
そのためには、やっぱり手を抜かないことですよね。自分を振り返ってみて、「手を抜いている部分があったかも」と思える人は、そこをやり切れば絶対に成長します。
がんばっている美容師さんすべてにリスペクトを捧げます。そして、そのリスペクトを全員が持つことこそが美容業界の発展や好転になると信じています。
QJ編集部:この度は本当におめでとうございます! 今日はありがとうございました!

(文/須川奈津江 撮影/菊池麻美)