業界一丸となって国難を乗り越えよう!  戦うヘアサロンの「エールの輪」vol.01

オンラインの「居酒屋ノブ」は午前4時まで大盛況

 

 

石田:あとは、ZOOMで飲み会をしたりしていますね。僕の名前にちなみ「居酒屋ノブ」というZOOMで飲み会をしたんですが、盛り上がりすぎて終わったのは午前4時とかだったみたいです。店主の僕は一足先にのれんをおろしていました(笑)。スタッフとの電話も大事だと思っています。というのも、大人数だと周りの目を気にして本音が言えない子がいると思うし、一対一だからこそ出てくる本音があるからです。

 

吉田:先ほども言いましたが、僕個人はこの自粛期間中に他業界の人と連絡を取り合っています。石油価格が暴落してガソリン代が安くなっているんですが、どうしてそうなったのか投資に詳しい人に聞いたり、または、メーカーの担当者さんに連絡してイタリアの工場が稼働停止してブリーチ剤が入ってこない現状を教えてもらったり。たくさんの人たちとコミュニケーションをして情報を集めて、今後の美容業界でどんなことが起こるのか考えておくべきだと思っています。まだ、何をすべきかの答えは出せていないですけれどね。

 

石田:とにかくこういう時期だからこそ冷静さを失わず、今できることを最大限やり続けたいです。

 

未来に向けて動き出すために、自分をアピールする準備を進めよう

 

 

・この状況下で不安を感じている全国の美容師(美容学校生)さんに向けて、一言メッセージをお願い致します。

 

石田:これからサロンに入る学生さん、もしくは転職を考えている人は、自分をしっかりとアピールするための準備をしておくといいかもしれません。SNSを構築して、情報を発信しつつセルフブランディングをすれば、採用する側も「この人は力になってくれそうだな」って判断しやすいですから。

 

ただし、お客さまを呼べない状況ですから営業を縮小したり、解雇せざるを得ないサロンがあるのも事実です。美容師を続けたい人のために、今も採用活動をしている企業の情報をQJナビさんに積極的に発信してもらいたいですね。

 

吉田:これから入りたいサロンを探すときには、この非常時に会社がどんなふうに動いたのか知っておくといいと思います。経営リスクの回避に動いたのか、感染リスクの回避に動いたのかによって、会社の方針が見えてくるはずです。

これまでは、自分の好きなスタイルをつくっているサロンに入り、技術やセンスを磨くことが王道でした。しかし、技術だけでは食べていけないことが露呈したのが今だと思うんです。きちんとした経営基盤があってこそ「カワイイ」をつくることができるし、物心両面の幸せを実現できます。しばらく景気が落ち込むかもしれませんが、気持ちはいつもポジティブに。自分で人生を切り開く意志を持ち続けてほしいです。

 

長岡:就職氷河期がくる可能性が高いので、「自分の強みをつくる」ことはマストだと思います。入りたいサロンに入ることができない美容学生さん、美容師さんも増えるでしょう。僕らとしては、社内のアカデミーを解放したりして、希望する就職・転職ができずにあぶれてしまった人たちに何かしてあげたいと思っています。

 

Lond版『マネーの虎』を企画しているわけ

 

・アフターコロナを見据えた新しいアクションを教えてください。

 

吉田:昔『マネーの虎』(テレ東系)という番組があリました。その番組内では起業家がカリスマ経営者たちを前にプレゼンして、その内容に基づいて出資額を決めていたんです。そこからヒントを得て、新しいチャレンジをしたいスタッフにプレゼンをしてもらい、代表6人が出資額を決めるという取り組みを考えています。

 

これはあくまで例ですけれど、「クリエイティブコンテストで絶対優勝するので、衣装やカメラ、モデルさんのギャラのために100万円出してほしい」とか。それに対して、僕が40万円、長岡は10万円という具合に、代表それぞれが出資額を決める。モチベーションが高いのに資金がなくてできなくて実現が難しかったことにチャレンジさせて、その中から事業化できるものが見つかればいいなと。

 

さらに、代表たちを前にプレゼンして、ネゴシエーションしているところを動画で撮影して、YouTubeにアップしたら「美容室なのに珍しいことしていて面白いよね」って話題になるかもしれないですね。

 

長岡:スタッフが自分で何ができるか考えて行動する機会にもなると思っています。

 

石田:今回のコロナ問題で感じたのは、サロンワーク以外にもキャッシュポイントを増やして、それを組み合わせていくべきだということ。人間の労働力に頼る労働集約型のビジネスは有事のときに弱いですから。

 

2019年の台風の時にも休業したのですが、気候変動が進んでいるために同じような状況がまた訪れるかもしれません。そのためにも、新しい事業と働きがいを創出することで、会社としてもっと強くなっていければと思っています。

 

プロフィール
代表取締役/CSRエキスパート 石田 吉信

東京都出身。日本美容専門学校卒業。Lond group6人代表の一人。主にサスティナビリティーやCSRを推進し、ソーシャルグッドなブランディングを構築し、日々実践中。また、美容業界にCSRを根付かせるために多岐にわたり行動している。

 

プロフィール
代表取締役 吉田 牧人

埼玉県出身。日本美容専門学校卒業。都内2店舗を経て独立。Lond group6人代表の一人。主にLondのプロモーションを担当。内装デザインや、広告の文言、材料取引きなどを一任。全国各地で経営セミナーを実施し反響を呼んでいる。

 

プロフィール
代表取締役 長岡 宏晃 

山形県出身。日本美容専門学校卒業。カリスマブームのきっかけを作った国内最大手サロンで7年間技術を学び、コンテストでの入賞や撮影、外部セミナー、ヘアショー等、様々な経験を経て、持ち合わせた感性と共に独立。造り出す似合わせカットの完成度・再現性は群を抜いている。現在は教育担当として社内の技術の統括や、外部でもカットの講師なども務める。

 

>SHACHUさんのエールの輪 2月には融資と助成金を調べて資金調達の準備をしていた

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