最高峰のヘッドスパを世界へ!ヘッドスパアーティスト・山﨑達也のZUDO(頭道)とは。芦屋から東京に拠点を変え、さらなる高みを目指す!
お客さま急増の背景にある、”気づき”
――ヘッドスパの技術は、その頃には体系化していたんですね。
あらゆるサロンでヘッドマッサージやヘッドエステなどを体験して、施術後の違和感や不快感などをすべてメモした上で、それをすべて排除していく方向で自分の技術を確立していきました。僕のシグネチャー技術は、いわゆるツボや皮膚ではなく筋肉にアプローチするんですね。デコルテ、首、頭、フェイスラインと、大きい面積に指を当てて動かしていくので、圧迫されていた血管がリリースされて、血流はもちろん、滞っていたリンパと水分の流れが改善します。筋膜や腱などは頭から足先まで繋がっているので、頭をゆるめるだけで足まで楽になるんですよ。技術と理論が明確なんです。それまで”感覚的“だったヘッドスパに答えを出したので、海外でも受け入れられやすいのかなと思いますね。レッスンを受ければ誰でも習得できて、結果を出せる技術なので。

芦屋でサロンを始めた約10年前、一般的なヘッドスパ料金は4000〜5000円でしたが、僕は60分12000円、90分16000円の2種類のメニューを設定しました。体力的にもメンタル的にもパフォーマンスを落としたくなかったので、1日フルで最大4人まで施術すると決めてスタートしたんです。でも、最初はその金額で受けようと思う人はいなかったですよ。集客サイトも使っていなかったので、気を遣って母の友達が来てくれていましたが、1年半ほどは暇でしたね。ですが、妻が寛容で「なんとかなるよ」と言い続けてくれて、僕も開き直れたんです。地元ですから実家も近く、みんながサポートしてくれていました。

――そこから一気に人気店へと成長していきますが、どんなきっかけがあったんですか?
すごく大切なことに気づいたんです。僕は目の前のお客さまがどうなりたいのか?ということよりも、「僕が提供する技術はこれです」みたいな押し売りをし過ぎているな、と。お客さまの要望を聞かずに、「これが似合いますよ」と一方的にカットしたら、そのスタイルの完成度が高くても、お客さまからすれば「急に切られた…」みたいな感覚になりますよね。お客さまとズレが生まれてしまいます。

野球で表現すると、特大ホームランを打てるのに、打率が悪いなと思っていたんですね。そこで、この状況では2ベースヒットを打つほうがいいとか、このパターンは右にホームランを打ったほうがいいとか、もっとお客さまにフォーカスして、お客さまがなりたい状況を見極め、半歩先を見据えた施術をしていこうと思ったんです。軸をもちつつ、遊びのあるヘッドスパに変えようと。つまり”オーダーメイド”に変えて、指が入るときのスピード感や動かす大きさ、指の角度や圧の入れ方などを変え始めたら、驚くほどお客さまが増えていきました。
