教育を通じて「お客さまの文化」になる美容師をつくる -MINX 岡村 享央さんの習慣 前編-

基本に立ち返ることで、目の前の壁を乗り越えられる

 

 

ベーシックを入念に教えているのは、生涯活躍する美容師を増やしたいからです。さきほどデザインの質の話をしましたが、それに加えて基本がしっかりしているから、応用ができます。基本がしっかりしているから、新しい技術やデザインに挑戦して、引き出しを増やすことができます。

 

引き出しが増えれば、お客さまへの提案の幅が広がります。私は同じお客さまに3回連続同じ提案をしたら、飽きられてしまうと思っています。事実、「前の美容師さんは、いつも同じスタイルにしかしてくれなかった」という理由でくるお客さまもいました。

 

「今日はどうされますか?」とお客さまに聞くのは構いません。けれど、「どうしたらいいと思いますか?」とお客さまに言われたときに、どれだけ心惹かれる提案ができるかが、勝負の分かれ目になります。美容師として進化し続けないと、新しい提案ができなくなります。その新しい提案を支えるものが、やはりベーシックなのです。

 

進化することが大切なのは教育も同じ。定期的に振り返りをおこない、試行錯誤することが進化につながります。ちなみに2019年は、デザイン性の向上をテーマに取り組みます。私たちならではのデザインを、世の中に発信していきたいですね。

 

 

プロフィール
MINX
代表取締役社長/岡村享央(おかむらたかひさ)

1969年生まれ。高知県内のヘアサロンを経てMINX入社。サロンワークを中心に、一般誌・業界誌の撮影、セミナーやヘアショーなどで活躍。Japan Hairdressing Awardsで、1995年優秀新人賞、ならびに、2001年準グランプリを受賞。全国のヘアサロンの多くが教科書として使用する、数々のカットの書籍やDVDを出版。確かな技術と幅広いデザインは業界で高い評価を受けている。2016年、MINX代表取締役社長に就任。
https://minx-net.co.jp/

 

 

(取材・文/外山  武史  撮影/菊池 麻美)

 

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