僕らの青春バイブル『週刊少年ジャンプ』熱血ファンの美容師たちが語る推しマンガとは?

少年のころと大人になった現在、同じ作品でも異なった気づきを得ることができる

 

 

ーー久保さんのイチオシ『ジョジョの奇妙な冒険』の魅力って?

 

久保:それぞれの登場人物が超能力のある守護霊「スタンド」というのを持っていて、スタンド同士で戦うっていう話なんですけど。1巻が出たのが、僕が生まれた1984年。35年たった現在も『ウルトラジャンプ』で連載中です。そんな『ジョジョの奇妙な冒険』のスゴさはまず、絵の美しさ! 日本のマンガで唯一、パリのルーブル美術館に飾られたほどです。

 

中村:すごい! 確かに絵がきれいで大人びた内容だから、おしゃれな人が読んでいるイメージありますよね。

 

久保:『ジョジョの奇妙な冒険』は、少年マンガでありながら、話が複雑なので少年たちが理解するのは時間がかかるかもしれません。小学生や中学生のころの僕は、とうてい理解できなかったんです。高校生になってから読み始めると面白くて、僕にとっては大人の階段を上らせてくれたマンガだったんです。

 

僕は第5部イタリアマフィアの話が好きで、主人公がジョルノ・ジョバァーナという人なんですが、彼がめっちゃかっこいいんですよ。「このジョルノ・ジョバァーナには正しいと信じる夢がある」と語るシーンが大好きで。彼の夢が、マフィアを撲滅させること。その夢をかなえるために、あえてマフィアに入るんです。本当に自分が信じた正義のために、戦い続けるってストーリー。これも、”夢は終わらない”っていう話でもあり、自分の信念や夢を貫いている人が読むとめちゃめちゃ燃えたぎると思います。

 

TAKUO:久保さん、解説がうまい! 

 

久保:ありがとうございます(笑)。TAKUOさん、じつはジョジョには漫画家のスタンド使い・岸辺露伴というキャラクターがいます。彼の言葉も好きで「リアリティこそが作品に生命を吹き込むエネルギーであり、リアリティこそがエンターテイメントなのさ」っていう名言。TAKUOさんの描いている美容師のマンガって、リアリティが命じゃないですか。僕、これ読んでいるときにTAKUOさんに電話しようかなって思ったくらいなんですけど、TAKUOさんはハマると思いますよ。

 

TAKUO:読みたくなりました!

 

ーー中村さんは、『NARUTO-ナルト-』が大好きということで、どんなところが好きなんですか?

 

 

中村:『NARUTO-ナルト-』の魅力は、主人公のナルト自身がどんどん強くなっていくのはもちろんなんですが、彼が里の長である「火影」になるまでに、精神面もめちゃくちゃ成長していくところなんですよ。人の痛みを知ったりとか力だけじゃダメなんだっていうことを気づいたり…。こういう風に、内面が育っていく姿を細かく描く少年マンガは少ないのかなと思っています。恋愛模様や結婚相手の選び方に関しても、すごくリアリティがあって勉強になる。

 

SHIHO:精神面での成長や恋愛模様、女性からしてもすごく気になるところです。

 

中村:きっと読者が頷く、共感性のあるストーリーが多いのかもしれません。もちろん、少年マンガとしての戦う部分も大好きで、キャラが繰り出す技の名前「螺旋丸」とか「写輪眼」とかキャッチーで子供のころはマネして遊んでいました。

 

茂木:僕もNARUTOのファンですが、中村さんが好きなセリフとかってありますか?

 

中村:イタチというキャラクターが「“火影になった者”が皆から認められるんじゃない。“皆から認められた者”が火影になるんだ。…仲間を忘れるな」と、仲間の大切さをナルトに教えてくれるシーンがあるんですが、同じことがサロンにも言えるなと思って。

 

例えば、売上が高い人が店長かというと、必ずしもそれだけではないじゃないですか。売上だけじゃなくて、人を惹きつけるような魅力や、みんなに認められる素質が組織のトップには必要なんだ、って。

 

なので、少年の頃はバトルマンガとして楽しかったんですけど、自分のライフステージが上がっていくにつれて感じ方が変わっていくと気づいたんです。

 

-そのときどきの自分で、マンガの解釈って確かに変わりそうですね!

 

茂木:だから何度も読み返して、いろんな気づきや学びの変化もの楽しい。NARUTOの師匠が、自来也というおじさんなんですが、彼が名言をすごくたくさん残しているんですよね。僕が好きなセリフに「忍の才能で一番大切なのは持っている術の数なんかじゃねェ… 大切なのはあきらめねェど根性だ」っていうのがあって。

 

中村:そんな自来也が女好き・ギャンブル好き・酒好きっていうのも愛おしい(笑)。大人になって、子供のころと違う面白さを発見できるのが、少年マンガの良さですよね。

 

久保:話してたら、少年ジャンプのマンガ、片っ端から読み返したくなってきました!

 

SHIHO:歴が浅いので、過去に掲載していたマンガもこの機会に読んでみたいです。美容師の仕事にも活きるマインドやスタッフとの在り方のヒントがたくさんありそうです。

 

TAKUO :僕は今、マンガを描く立場ですが、それを叶えられたのも「夢は終わらねぇ」と思って走ってきたから。夢を持つことの意味や、それを追っていくことの楽しさが少年ジャンプから感じ取ることができる。そういった意味で、夢をすでにもっている美容師さんにはぜひ読んでいただきたいですね。

 

 

プロフィール
PONO/茂木 慎一(もぎ しんいち)

髪の悩み改善を掲げ、くせ毛を活かしたヘアスタイルの提案やヘアアレンジで顧客から厚い信頼を集めている。また、Instagram運用を中心としたSNSについての情報共有オンラインコミュニティ”コネクト”主催。美容学生、ネイル、マツエク、美容師、経営者、ディーラー、メーカーなど多数の美容関係者が参加している。

 

プロフィール
REDEAL/中村 雄樹(なかむら ゆうき)

埼玉県出身。埼玉県理容美容専門学校卒業。2015年にALIVE harajuku に入社。美容師歴1年でカラーリストデビュー、技術売上100万円達成。美容師歴2年でカラーのみで220万円を達成。2017年7月スタイリストデビュー。インスタグラムでの集客力を武器に躍進。業界最年少でのセミナー講師、書籍制作担当、業界紙への多数掲載などを経て、2020年25歳にして大宮で「REDEAL」を立ち上げ、現在に至る。

 

プロフィール
hair salon SALT/久保 慎悟(くぼ しんご)

ヨーロッパ系大型店舗勤務でバレイヤージュを中心に学び、デビュー4カ月で売上100万、スタイリスト1年で150万を超え、2年で200万スタイリストに。5年勤続の後海外で過ごし、帰国後、北海道 札幌 hairsalon SALTに勤務し、後に店長へと就任。デザインカラーを得意とし、ダメージの少ない施術を追求し、再現性にこだわった技術を提供し続けている。

 

プロフィール
SHIHO(シホ)

資生堂美容技術専門学校卒業後、4店を経て 現在はje suis heureuseにてフリーランス美容師として活動。「すぐできる美容知識動画」が同世代の女性の間で話題となり、インスタグラムのフォロワー数6.6万を超える人気女性美容師。プライベートではディズニーをこよなく愛し、ミッキーのような唯一無二の美容師になるのが夢。

 

イラストレーター美容師

TAKUO(タクオ)
1989年生まれ、福島県出身。山野美容専門学校卒業後、都内2店を経て現在はフリーランス。2018年4月より始めたInstagramが人気を呼び、わずか半年でフォロワー数は2万人超え。2020年1月に待望の書籍『美容師あるある物語(小学館)』を創刊。今年は、新しいチャレンジを企み中。

 

 

  ライフマガジンの記事をもっと見る >>

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング