【Tokyo Young Vision】美容師×アーティスト Rentoの哲学―ハサミとマイクで描く自己成長と次なるステージ。夢を諦めない生き方、その覚悟と挑戦
24歳でフリーランスに。音楽活動も本格的に始動
――デビュー後は、ずっとバーバースタイルですね。
好きなので、独学で始めました。クラブでDJをやっていたから、知り合った人に声をかけて無料でフェードを切りまくって、実践で腕をあげていって。コーンロウはウィッグでも練習しましたけど、人頭でなければ実際の痛みがわからないので、力の入れ具合もつかめない。それでステージに出るアーティストたちを無料でやるようになったんです。そんなことをしていたら、知らない間にサロンにどんどんお客さんが来るようになり、毎日編み込みをするようになっていて。ライブやフェスでも知り合った人に声をかけていたので、その度にすごい人数が来てくれました。やがて黒人のモデルがたくさん来てくれるようになって、そこからの紹介で海外のお客さんも来るようになりましたね。
――デビューして1年でフリーランスになりましたが、タイミングは計画していたんでしょうか。
というより、自分がやりたいことや大切にしたいことが増えすぎた結果ですね。会社にエネルギーを十分注げなくなったんです。もう卒業しよう、という気持ちでした。退社して1ヵ月間は完全に休んで、オーストラリアへ行ったり、大阪に行ったりしてましたね。東京に戻ってから、先輩が先に働いていたGO TODAYを紹介してもらって、そこでフリーランスになりました。
――自由に動ける環境になり、「Tokyo Young Vision」のメンバーとしての活躍もスタートしましたね。
メンバーになってからは2年くらいなんですが、僕が上京したタイミングでラッパー・DALUと出会い、髪を担当するようになって。美容師としての活動だけでは日々が物足りないかも…と思っていたときに、「音楽活動も始めたら?」と言われたのが心に刺さったんですよね。メンバーになってからは、MVなどを作って一緒に動いています。去年は、オーストラリアでライブもしたんですよ。
僕はもともと、人からどう思われているのかをすごく気にする性格だったんですね。だから音楽を作るときも人に見せたくない、恥ずかしいなんて思っていて。でも、美容師としての経験や、自分のすぐそばで夢を叶えようとしている友達と関わっていく中で、恥ずかしがってる場合ではないなと。そこから気持ちをグッと変えていきました。「僕らは作る側で、消費者ではない」と思ってからは、どう思われているかとか、恥ずかしいとか、そういうシャイな気持ちが一切なくなりました。