歌舞伎に通い、名店で学び、ルーツを辿る。そのすべてを美容師の価値に変えるーACQUA熊谷安史さんの習慣 後編―

長年支持され続けるサロンACQUA(アクア)で総店長を務める熊谷安史(くまがいやすし)さん。サロンワークを軸に、セミナー講師やコレクションのディレクションなど多方面活躍しながら、ベテランが築いた強固な基盤と、若手の勢いが共存する進化し続ける組織を統括しています。
そんな熊谷さんは、伝統芸能や舞台から美容師としてのあり方を、食の名店からホスピタリティを、物事のルーツから継承の力を磨いてきました。後編はACQUAの文化を次世代に繋げる熊谷さんの習慣に迫ります。
歌舞伎役者の真髄に触れ、黒子の動きにプロフェッショナルを感じる

以前から舞台やミュージカルを観に行くことも習慣にしていますが、ここ5〜6年は歌舞伎にハマりました。きっかけはお客さまでした。美容師の仕事はエンタメ的な側面があるし、あなたの性格的にも合うと思うから絶対見た方がいいと勧められたんです。一度行ってみたらドハマりして、いろいろな演目を観覧しに行っています。普段は古典歌舞伎を観に行くことが多いのですが、先日“ルパン歌舞伎”を観に行く機会があり、役者さんの息遣いや汗までわかる臨場感のある席で鑑賞しました。なかでも印象的だったのがラストシーン。片岡愛之助さんが本当に泣きながら演技をして、その迫力に引き込まれました。後で関係者の方に伺ったところ、そのシーンでは毎回涙を流しながら渾身の演技をされているそうで。人の心を動かす芸の真髄をみた気がしました。

歌舞伎にどハマり
役者だけでなく黒子の方の動きも見逃せません。阿吽の呼吸で役者に合わせてサポートする。あの“動き”、“技術”は世界一だと思います。美容室の現場でも通じるものが多く、あんな動きができたらいいなと思ったりもしながら(笑)惚れ惚れとみています。歌舞伎には型があり、伝統があり、革新がある。歴史の長さは違いますがACQUAもそうでありたいと思いますよね。