異なる道を歩んできた二人が『pros』共同代表に。ハイトーンの鎌倉光輝×パーマの袖野敬人が描く、新たなサロンのかたち

ハイトーンカラーのスペシャリストとして知られる鎌倉光輝(かまくらこうき)さんが手がける表参道のサロンpros(プロス)に、2026年4月から、パーマ技術で高い評価を得る袖野敬人(そでのけいと)さんが参画しました。異なる環境で経験を積み、それぞれの強みを磨いてきた二人は、なぜ共同代表という形でタッグを組むことを決めたのでしょうか。
カラーとパーマ、それぞれの強みを持つ二人が出会ったことで生まれた新たな可能性。そして、その先に見据えるサロンの理想像とは――。立ち上げの経緯から今後の展望まで、二人の思いをじっくりと伺いました。
自分たちが起こす化学反応に期待した

(左:袖野敬人さん 右:鎌倉光輝さん)
─prosは、鎌倉さんが所属していたVardy(バーディ)から社内独立という形で出店されたんですよね。
鎌倉:そうですね。僕はもともとVardyの前にいたサロンの頃から独立願望があって。当時からお世話になっていた中澤(現Vardy代表・中澤卓也さん)に、「お店を出したい」と相談していたんです。そのときは「今はまだ難しいんじゃないか」とアドバイスをいただき、Vardyにジョインするという形を取りました。
Vardyで様々な経験をさせてもらう中で、2年前に中澤の方から「店を出さないか」という提案があって。いつかは、と思っていた選択肢が目の前に現れて、そこから本格的に考え始めました。
今、共同代表をやっている袖野とは、共通の友人を通じて4年ほど前から交流がありました。飲みの場などで仕事について語り合うことも多く、自分がお店を持つならパートナーがほしいなと思ったとき、自然と袖野が浮かびました。

─袖野さんも、独立願望はあったのですか?
袖野:漠然と、いつかは自分の店を持ちたいと思っていました。三十代が近づいてくるにつれ、自分の色を表現できる場所が欲しいという思いはより明確になっていきましたね。ただ、一人で店を出すよりも、誰かと始める方が面白いんじゃないかと考えていたんです。
その点、僕はパーマで、鎌倉はカラー。やっている技術も育ってきた環境も全く別です。鎌倉から声をかけてもらったとき、一緒にお店を始めたら、どんな化学反応が起きるだろう?とワクワクしたのを覚えていますね。前社での引き継ぎなどもあり、ジョインが遅れてしまったのですが、prosで働き始めて2カ月、すでにたくさんの刺激を受けています。
何より、鎌倉は本当に素敵な人なんですよ。美容師うんぬんというより、彼の人となりに惹かれたところも大いにありました。

鎌倉:それで言ったら、僕も全く同じです。息が合うし、人として信頼できる。それに、袖野は“かわいい”スタイルを作るのが本当に上手いんですよね。女性像を創り、その人本来のかわいさや美しさを引き出すのにすごく長けている。サロンのビジュアルコンセプトを作るにあって、彼以上に適した人はいないと思いました。
袖野:褒められすぎて、ちょっと照れますね…(笑)。
わがままな経営をするために、完全に独立はしない

─社内独立という形を取った理由は?
鎌倉:僕は考え込みやすいタイプで、タスクや考えるべきことが多すぎるとキャパオーバーになりがちなんです。そういった点も含めて、完全に会社の外に出て経営をすることには若干の不安要素がありました。
その点、中澤は僕の性格もよく知ってくれていますし、僕や袖野がやりやすいようにバックアップしてくれています。困った時にフォローしてくれる存在が近くにいることは、すごくありがたいですね。
袖野:僕も鎌倉もプレイヤー気質なところがあるので、経営脳に振り切るのが難しかったんですよね。例えば、経営者としては、売上や集客に材料費、お金のことも含め数字をしっかり追っていかなければいけません。そうなると、「お客さまを集めるために個性を抑えて、もっとマスに向けた表現をしよう」みたいな考え方が出てくるかもしれない。自分の色を表現したくて出店したはずなのに、それだと本末転倒なんですよね。

正直、わがままだと言われたらその通りです(苦笑)。でも、僕たちの理想とするわがままな経営をするためには、完全に自由な環境にいくのではなく、この形を取るのがベストだと考えました。
もちろん責任はあるし、経営に関する数字を一切考えなくていいわけではありませんが、一緒に考えてくれる人がいるというだけで、だいぶ気持ちが違います。
鎌倉:本当にその通りだね。わがままにやらせてもらってる。だからこそ、結果もしっかり出さなくてはと思います。
─共同代表という形は、良さがある反面難しさもあると思います。不安はありませんでしたか?
鎌倉:いやいや、もちろんありますよ。
袖野:そこは、お互いにすごく考えているよね。親しき仲にも礼儀ありですし、コミュニケーションの行き違いがないように話し合いの場はたくさん設けて、相手に使う言葉にも気をつけています。本当に初歩的なことですが、それさえ守れたらお互いに寄り添って歩めるのかなと。共同経営は、結婚生活に似ている気がしますね(笑)。

鎌倉:多少の不安はあるにしても、やはり代表が二人いることのメリットの方が大きいと思っています。例えば、僕がスタッフに厳しく言った後には袖野がフォローしてくれますし、逆も然り。教育や考え方の部分はしっかりすり合わせをしているので、お互いがお互いを補填し合って、prosのマインドがスタッフにより浸透しているように思います。
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