安定よりもワクワクが欲しかった。大手サロンを出て新しい挑戦を始めた、NAMI ginza 荒井夏海さん

2026年6月、銀座にNAMI ginza(ナミ ギンザ)がオープンしました。オープニングスタッフの荒井夏海(あらいなつみ)さんは、現在29歳。三十代を目前に、新卒から9年間勤めた大手サロンを出て、信頼する先輩とゼロからサロンをつくることを選択しました。
安定した環境を手放すことで周囲から心配されたこともあったそうですが、荒井さんの答えは「こっちの方がワクワクしたので」と何とも軽やか。さまざまな選択肢がある現代で、あえて“美容室をつくる”ことを選んだ理由と、サロンと自分、それぞれの理想像を伺いました。
みんなで美容師を楽しめる環境を作りたかった

─サロンオープン、おめでとうございます! まずは、NAMI ginzaに参加することになった経緯を聞かせてください。
オーナーである長田(耕太さん)には、美容学生の頃からお世話になっていて。前社にいた頃から、仕事や教育に対する考え方、サロンの在り方についてなど、よく話をしていたんです。
何もできなかった新卒の私をここまで育ててくれた前社には、本当に感謝しています。その反面、大きい会社だからこその難しさも時折感じていました。変えてみたいことや、やってみたいことがあっても、スピード感を持って実現するのはやっぱり難しかったり…。
そんなタイミングで、長田が新しいサロンを出すという話を聞いて、「自分と近い考えの人の下で、もう少し小さい規模でやってみるのもいいかもしれない」と思ったことがきっかけです。

─具体的には、どんなことを変えたいと思っていましたか?
一番変えたかったのは、自分自身も含めて、周りのスタッフが美容師として楽しく働き続けられる環境作りです。
美容師という仕事が好きでこの道を選んでいるのに、日々の忙しさや集客面のプレッシャーによって、本来の『美容師としての楽しさ』が薄れてしまうのは、すごくもったいないと感じていました。もっと一人ひとりが美容師の仕事に向き合って、技術を磨いたり、お客さまを大切にしながら楽しく働ける仕組みにしたいという思いがあったんです。
そのために、改善したかったことの一つが集客です。今の美容業界は個人のSNSでお客さまを呼ぶことが主流ですが、私はそこ少し違和感がありました。
もちろんSNSは必要ですし、それぞれが努力することも大切だと思います。でも、SNSが伸びている人だけが評価されたり、個人で集客できる人だけが美容師として活躍できる環境にはしたくなかったんです。

例えば、可愛く撮れたスタイルがバズって多くの方が来てくれたとしても、技術が追いつかなければお客さまに満足していただくことはできません。SNSを更新することだけに時間を使うのではなく、練習して技術を磨き、目の前のお客さまに向き合うことも、美容師としてとても大切なことだと思っています。
だからこそ、個人のSNSだけに頼るのではなく、お店としても集客できる仕組みを作ることで、スタッフがもっと美容師の仕事そのものを楽しめるお店にしたいと考えていました。
一生に一度、あるかないかのチャンスだと思った

─サロンの立ち上げに携わり、大変なことも多かったのでは?
お店を一から作る経験なんて、人生で一度巡って来るか来ないかのことだと思っていたので、大変さよりも楽しさが勝っていました。サロン名や内装を決め、どんなシャンプー台を使うか、セット面の椅子はどうするか…など、スタッフみんなで話し合って、ゼロから美容室をつくれたのは、素晴らしい経験でしたね。店舗の契約や銀行とのやり取りなど、一番大変なところは長田がやってくれていたので、美味しいとこどりをしてしまったような気もしますが(笑)。
─様々な選択肢がある中、この規模感でスタートしたことにはどんな思いが?
現在NAMIには6名のスタッフがいて、セット面は11席。確かに、実績のない状態から始めるには少し大きい規模かもしれません。ただ、やっぱり私は人とやるのが好きなんです。マンツーマンや、面貸しサロンのような環境では、多分つまらなくなってしまうと思うんですよね。
結果的にまた人数がいるサロンで働くことになりましたが、長田の考えに共感したメンバーが集まっているので不安はありません。

─長田さんへの厚い信頼を感じますね。
長田は、本当に人のことばかり考えているタイプなんですよ。自分のことは後回しで、原動力はいつでも他者。前社にいた頃から、社内外問わず本当に色々な方と交流を持って、経営や教育について学ぶ姿を見ていました。その上で「みんなを幸せにしたい」と形にしたのがこのNAMI ginzaなので、信頼はすごくありますね。
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