採用担当が語る“本気の採用基準” stén /Tiely編 鍵は、美容への情熱と、自分らしさの表現

美容業界で理想のキャリアを築きたい美容学生や転職希望者に向けて、人気サロンの“リアルな採用基準”を紐解く本シリーズ。今回は「stén (ステン)・Tiely(ティエリー)」にフォーカス。
原宿に店舗を構え、ハイトーンカラーやデザインを強みとするstén代表の衣川光(きぬがわひかる)さんと、新宿駅徒歩3分の好立地で、髪質改善を打ち出し大人女性に支持されるTiely代表の金内柊真(かねうちとうま)さんに、応募者に求める人物像や面接時にチェックしているポイントについて伺いました。同じ会社ながらそれぞれに異なる魅力を持つstén/Tielyの採用の裏側に迫ります。
自分が好きなものを確立できている人は強い

─新卒採用では、どのようなポイントを重視していますか?
・ファッション感とSNSのページ作り
衣川:僕が重視するのは、その人のファッション感とSNSへの取り組み方です。 ただ、SNSに関してはフォロワー数を求めている訳ではなく、自分のページの作り方、つまりブランディング力が見たいという思いでチェックしています。
SNSのページは自己表現であり、一つの作品でもあります。好きなものが確立されていて、それを自分なりに表現できているか。ブランディングとは何かを自己流でも掴んでいる人は、美容師になってからも成長が早いので、そうした面が見えると嬉しいですね。
・努力する習慣がついているか
金内:外側は衣川が見てくれているので、僕が重視するのは内面。美容に対してどれだけ打ち込めるのか、努力癖みたいなものを見たいと思っています。美容学生時代はもちろんのこと、もっと幼い頃からの話でもいいので、これまでに、何をどれくらい頑張ってきたのかを教えて欲しいんです。
もちろん、コンテストなどの美容にまつわる分野で結果があるのは素晴らしいこと。ただ、美容学校に通うのはたった2年で、就活が始まるまでで考えれば1年半もありません。それまでの人生のほうが圧倒的に長いわけですから、『努力できる人間である』と示すために、美容学校入学以前に頑張ったことを話してくれることも、僕としては問題ないと思っています。
・協調性と、既存スタッフとの相性
金内:もう一つ見ているのは、協調性とスタッフとの相性ですね。新しいスタッフがうちに入ったとき、その人自身はもちろんのこと、周りのスタッフも「楽しく幸せに働けるのか」は、オーナーとして気にして見ています。もちろん、会社の全員とめちゃくちゃ仲良くなれとは言いません。それでも、サロンの和を乱さない人間性は必要だと感じますね。
─中途採用では、どのようなポイントを重視していますか?
・求めているのは、技術よりも前向きさ
衣川:技術的な部分はそこまで求めていないかも。中途で新卒以上に必要なのは、前向きさかなと思います。
中途の場合、一度サロンを辞めた経験があることになりますが、その理由があまりに他責すぎるのはどうかなと思っていて。僕は、どんな素晴らしい環境にいても、大なり小なり不満は生まれてしまうものだと考えています。だからこそ、前社でどんなことに不満を抱いて、それを解消するためにどんな努力や工夫をしてきたのか、という部分を聞けたら嬉しいですね。
スタイリストとして入社する場合は、現実問題として売上がどれくらいあるのかは確認します。逆に、まだ売上があまりなくて、これからうちで頑張りたいと思っている人であれば、アシスタントと同じようなポイントをチェックしますね。
・感情ベースと理論ベースのバランス感
金内:どういった理由で前社を辞めて、どうしてうちに入りたいのか。前社では何ができなくて、うちなら何ができると思ったのかを聞くようにしていますね。
大前提として、sténやTielyに入りたいと思ってもらえるのはすごく嬉しいです。でも、キャパや予算の問題で全員を採用するのは難しいから選抜するしかないわけで…。せっかく採用したスタッフには長く続けてもらいたいので、そこのヒアリングは欠かしません。
『憧れ』という感情ベースの理由と、『やりたいこと、実現可能な具体的な目標』という論理ベースの理由のバランスがいい人は長く続く気がしますし、話すことにも説得力があります。それに、理由が明確なほど、こちらも一緒に働く姿が想像しやすいんですよね。
─採用担当として、思わず好印象を抱くポイントは?
・美容師は接客業。表情の作り方は大切
衣川:僕が好印象を抱くのは、表情の作り方と…声の大きさです(笑)。でも、これは意外と大事なんですよ。美容師のベースは接客業なので、相手に聞き取りやすいようにハキハキ話せるとか、気持ちのいい返事ができるというのは必要なスキル。面接で緊張して声が小さくなってしまう気持ちもわからなくはないのですが、そういった状況でも自分をしっかり伝えられる人を見ると、いいなと思います。
・挨拶やマナー、基本的なことができるだけでも好印象
金内:年齢の若い方を面接していると、挨拶や礼儀などの基本的なことがあまり身についていない人も増えてきたイメージで…。できる人が減っている分、今はそれがきちんとできるだけでも好印象を抱いてしまいますね。
全員ができる環境では、できない人がただ悪目立ちしてしまいますが、今はその逆なので、受ける側としてはある意味でチャンスなのでは? と思います。挨拶、感謝、謝罪、マナーなどの社会人としての基礎的な部分を固めておくだけで、一つのアピールになりますからね。
─逆に、マイナスなイメージを抱くポイントはありますか?
・普段の習慣が、咄嗟の態度で見えてしまう
金内:先ほどの逆で、挨拶や返事、マナーの部分が足りていないと、マイナスな評価につながります。もちろん、面接という場なので本人としては頑張っているつもりだとは思うんですよ。それでも明らかに声が小さかったり、普通なら「失礼します」と言う場面でも咄嗟にその言葉が出なかったりと、“頑張っている”の基準値が低いこともあるんですよね。習慣になっていないことを緊張している中でいきなりやるのは難しいと思うので、だからこそ「いつも言っていないんだろうな」と想像できてしまうと、あまり良い印象にはならないかもしれません。
ただ、緊張で答えに詰まってしまったとしても、それはマイナスには感じません。僕自身、若い頃は緊張して上手くできない場面もたくさんありましたし、気持ちはわかります。こちらもなるべくその人の良さを引き出そうと思っているので、問いかけに真摯に答えようという気持ちが見えれば大丈夫ですよ。
・サロン見学中の振る舞いは、良くも悪くも見られている
金内:サロン見学を兼ねて施術を受けに行くこともあると思います。でも『その時間、思っている以上に色々なスタッフから見られている』という意識が低い人が多いように感じます。
例えば、カラー放置中や担当のスタイリストが席を離れた瞬間に足を組んだり…。もちろん、お金を払ってお店に来ている以上、普通のお客さまと同じように過ごしていただいても問題はありません。ただ、自分と照らし合わせた時に「第一志望のサロンで、この態度はやらないよな」という振る舞いを見てしまうと、うちはあまり志望度が高くないのかな?と思ってしまいますし、いい印象を抱きづらいかもしれません。
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