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再来率90%以上! スタッフもお客さまも心地よくいられる、“人に合わせる”サロン【hair make BiS】

 

hair make BiS

オーナー・スタイリスト

新国潤(にっくにじゅん)さん

埼玉県出身。国際理容美容専門学校卒業。東京と埼玉の数社で店長、FCオーナーを経て2006年にhair make BiSをオープン。顧客とスタッフに寄り添ったサロンづくりを行い、97%という驚異的な再来率を誇るサロンに育てあげる。

 

20年続く個人店だからこそ、スタッフ一人ひとりに合わせた働き方ができる

 

 

――BiSは、今年でオープン20年を迎えたそうですね。このお店をオープンされるまでのご経歴をお伺いしたいです。

 

 

美容専門学校を卒業後、7年ほど都内の美容室で働いて、店長も経験しました。将来的な独立を見据えていたのですが、そのサロンは5〜6人規模の小さなお店だったので、一度大きなサロンで管理職を経験しようと大型サロンに移りました。そこでFCオーナーになったのですが、サロン運営の方向性がちょっと合わないと感じて、その会社は退職。そして2006年にここ、埼玉県内の宮原にBiSをオープンしました。

 

――BiSはゆったりとした空間設計も印象的ですね。

 

そうなんですよ。普通の美容室の2店舗分の面積があります。実はオープンしたての頃はこの近辺は更地だったんです。でも、周りに大型のマンションがいくつかでき始めると同時に客足も伸び、サロンも軌道に乗るようになりました。

 

――大きなサロンとあって、スタッフの年齢層、働き方も多様と聞きました。

 

 

はい。新卒からベテランまで年齢層は幅広く、雇用形態も正社員や時短勤務、パート勤務などさまざまです。うちのサロンはいわゆる“面接”みたいなことをして採用・不採用を決めていなくて。これまでの経歴も問いません。ただサロン見学に来てもらって「どういう美容師になりたいか」を聞く。その上で、うちのお店が合いそうなのであれば、ぜひ一緒に働いてください、というスタンスなんです。美容師としての芯をしっかりと持った人は「自分がどうなりたいか」をちゃんと言語化してこちらに伝えてくれるので、それがあれば、どんなキャリアの持ち主でも一緒に成長していけると信じているんです。

 

――すごくフラットな姿勢でスタッフを募っているんですね。

 

そうかもしれません。僕の両親が個人で理髪店を営んでいるのですが、その在り方には学ぶことが多くて。今、美容室は「企業」として経営しているところが増え、役員を置き、スタッフの増員に伴って組織化していくことが多いですよね。そうなると、どうしてもスタッフの働き方は一律化しないと難しい面も出てくると思うんです。BiSはそうではなくて、個人店だからこその強みを活かして、スタッフに合わせた働き方を提案できるようにしていています。

 

再来率90%以上! 顧客が「人に紹介したくなるお店」を貫く心地よい接客

 

――お客さまは近隣の方が多いですか?

 

 

そうですね。埼玉エリアから来店いただく方が多いです。うちのお店は、お客さまの再来率が90%以上なんですよ。

 

――90%以上!? ほとんどのお客さまがリピートしてくださるんですね。どんなところに理由があるのでしょうか?

 

「人に紹介したくなるお店づくり」を大切にしています。実際、新規のお客さまの多くが既存のお客さまからのご紹介なんです。だからこそ、お客さまに信頼していただくための細かな気遣いは欠かさないようにしています。たとえば技術面では、シャンプー一つとっても料金をいただいているサービス。決して流れ作業にはせず、丁寧に向き合うことを心がけていますね。

接客面で意識しているのは、お客さまのお名前を添えてお声がけすることです。たとえば、「○○さん、お待たせいたしました」というようにお名前を呼ぶだけで、ぐっと距離が縮まるんです。実はこれは、理髪店を営んでいた両親の姿から学んだこと。父はお客さま一人ひとりの顔と名前を覚えていて、「○○さん、いらっしゃいませ」と自然に声をかけていました。「お待たせいたしました」だけでも接客としては成立しますが、お名前を呼ぶことで、お客さま一人ひとりとより深く向き合えると思うんです。

 

――すてきですね。

 

 

実は、それにまつわる面白いエピソードがあるんです。うちには、会社員として他業種で働きながら美容師免許を取得し、週末だけアルバイトとして働いているスタッフがいるんですね。週に1回の勤務なので、どうしても技術の習得ペースはゆっくり。そんな彼が、初めてお客さまにクロスをかける機会があったんです。そのとき、「○○さん、僭越ながら、本日初めてクロスをかける役割を任せていただきました。それでは失礼いたします!」と、とても丁寧にご挨拶をしていて(笑)。お客さまも思わず笑ってくださったのですが、私は「お客さまとの距離を縮めることは大切だけど、そこまでかしこまらなくても大丈夫だよ!」と伝えました(笑)。

でも、それくらいお客さま一人ひとりを大切にしようという気持ちが自然と根付いているのは、うちのお店らしいところかもしれませんね。

 

一律の型にはめず、意欲に合わせて育てる。失敗から辿り着いたサロン作り

 

――面白いスタッフさんですね(笑)。それに、会社勤めをしながら、週1勤務のスタッフさんまでいるとは驚きです。

 

 

そうなんですよ。働き方だけでなく、教育についても一律の型にはめるのではなく、一人ひとりの意欲や得意分野に合わせて考えるようにしています。

一般的な美容室のカリキュラムでは、シャンプーやカラー、ブローなどを学び、最後にカットへ進むケースが多いですよね。でも、せっかく美容師になったからには、できるだけ早くカットをしたいと思うスタッフも多いはず。人によっては、そこにたどり着くまでの道のりを長く感じてしまうこともあると思うんです。

そこで最近は、希望するスタッフには、早い段階からカットを学べるようカリキュラムを見直しました。カットができるようになれば、カットメニューでお客さまを担当する機会も生まれますし、美容師として成長している実感も得やすくなります。

もちろん、全員が同じペースで成長する必要はありません。その人に合った学び方や成長の仕方は尊重するようにしています。

 

――お話を聞いていると、穏やかで風通しのよい社風の中で、スタッフ一人ひとりを大切にされていることが伝わってきます。

 

 

ありがとうございます。ただ、お恥ずかしい話ですが、最初からそうだったわけではないんです。前職でFCオーナーをしていた頃や、このサロンをオープンした当初は、売上や組織づくり、数字を伸ばすことばかりを考えていました。経営者として結果を出すことに必死で、スタッフがどんな気持ちで働いているのかにまで目を向けられていなかったんです。

そんなある日、開業当初から一緒に頑張ってきたスタッフに、「美容師として働くことが、つまらなくなりました」と言われました。右腕として支えてくれていたスタッフからの言葉だったので、本当にショックでしたね。でも同時に、自分が数字ばかりを追いかけるあまり、スタッフが楽しく働けているかという、オーナーとして最も大切なことを見失っていたのだと気づかされました。

その出来事をきっかけに、お店づくりに対する考え方は大きく変わりました。スタッフが長く働き続けるためには、制度だけでは足りません。日々の空気感や上に立つ人の言葉、忙しいときの振る舞い、お客さまとの向き合い方。そうしたさまざまなことの積み重ねが、働きやすさにつながるのだと思っています。

今は、スタッフもお客さまも心地よく過ごせるサロンをつくることが、自分に与えられた最も重要な役割だと考えています。

 

 

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