「スタッフに甘すぎる」と他社に言われても。一貫して「豊かさ」を考え続ける独自の英才教育システム―10年サロン「UMiTOS」のブランディングストーリー前編

2007年〜2010年 豊かさ立ち上げ期

里帰り出産のため、実家の美容室へ。そこではじまった自分のお店

 

 

南青山の『UMiTOS』、南房総の『海と砂原美容室』という二つの美容室を経営していますが、一貫して考え続けているのは「豊かさ」のこと。だから、他の美容室とはちょっと違っているかもしれません。

 

もともとは都内の美容室に所属しながら、芸能人などのヘアメイクも並行して行っていました。毎月のスケジュールは、ヘアメイクに10日間行って、3日休んで、残りの2週間はサロンワーク。その2週間で500人近く顧客をカットしていたので1日に30人以上のカットと指名で、目が回る忙しさでしたが、時間を上手に使いながらこなしていました。

 

勤めていた店を離れたのは、2007年の出産がきっかけです。里帰り出産のために、実家がある南房総に一度帰りました。

 

私の母は美容室を経営しているんです。妊娠8ヵ月で実家に帰ったのですが、出産までの期間があまりにも暇で、介護美容師とメンタルカウンセラーという二つの資格を取得したり、実家の美容室の内装をデザインしたりしていました。

 

当時は時代性もあって、出産で一度お店を離れるとそのまま戻ることができないことが多かったんです。私1人でたくさんの売上を持っていたし、心配でしたが元オーナーの判断により、円満退社しました。「それなら、これからは自分の家を拠点にやっていこう」と思ったんです。それで南房総の実家を本格的にブランディングし、2008年に『海と砂原美容室』をオープンしました。

 

美容室には秘書も必要。他にはないユニークな役職を設けた理由

 

 

すべて取り壊し、建て直して、店名も新しくつけました。だから実家を継いだという意識はありません。オープン時のスタッフは、スタイリストが4人、アシスタントが1人、アシスタント兼秘書が1人、フロントとオフィスが1人ずつ。あと店内にお花屋さんも連動しているので、フロント兼お花担当が1人いて、合計で9人です。ちょっとユニークな構成ですよね。

 

秘書スタッフはオープン当時から現在に至るまでずっと設けています。「秘書って何の仕事をするの?」と思うかもしれませんが、秘書にはスタッフのブランディングや、スタッフの精神的なサポートをお願いしています。みんな自分の頭で考えてセルフプロデュースをしていきますが、忙しく働く中でうまくできなくてクビになったり、成果が出なくてやる気をなくしてしまったりする子を、今までたくさん見てきました。そこで、秘書にそれぞれのいいところを伸ばし、その人を支える柱になってもらっています。

 

お花屋さんを導入したのも、南房総の自然のよさを感じてもらうため。店のいたるところにお花を飾りました。東京から通ってくれる人も多かったので、当時は「これは東京にはないな」と感じてもらえるような場所にしたいと思っていたんです。

 

>サロンオープン時から取り入れている「共生教育」とは?

 

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