RITZ金井豊さんのびよう道 〜努力をしている感覚はない。戦略と人脈を武器に、ただひたすらやりたいことに没頭しているだけ。〜

大事なのはスタイリストになった後、何をしたいのか

 

 

若手時代を振り返ると、ベースとなる技術の実力は5年やっても10年やってもそれほど変わらないと思うけれど、経験と感性は比例するものだから、早くデビューできるならしたほうがいいと思います。早くデビューするためにはどうしたらいいのか、それを実現するためのモチベーションをいかに刺激するかが大事です。

 

例えば、ヘアスタイリストになることを目標にするんじゃなくて、その先に何を思い描いているか。そういう意味で、僕は最初に入ったサロンが、スタジオVでよかったと思いますね。スタイリストのその先の目標になる人がいたし、やりたいことを叶えられる環境だったから。

 

若い人にアドバイスをするとしたら、興味があることには自然とモチベーションが上がるから、自分にとってそれが何か探してみることを勧めたいですね。僕の場合は外国の雑誌しか見ていなかった。一番インスパイアされたのはVOGUE ITALIA、文字は読めないけれどクリエイティブだと思ったし、実は撮影をしている場所はニューヨークだったりしたんだよね。そういうのもあってニューヨークに行ったんだけれど。

 

「人と人とのつながりを大事にすること」が新たな道を拓くカギ

 

 

とにかく80年代、90年代のVOGUE ITALIAはすごくクリエイティブだったんですよ。日本はハイファッションのメディアが育ちにくい環境なんですよね。だから、若い人たちがクリエイティブなものに触れる機会が減っているのかなとも思います。

 

僕が雑誌でつくっていたヘアは、海外の雑誌をみて自分がカッコいいと思ったものを真似してつくっていたんですよ。ただ、モデルも衣装もカメラマンも違うから、真似しても全く同じようにはならない。それが逆にオリジナルの要素になっていたんだと思います。

 

今はウィッグを研究してSNSで発信していますけれど、ブランディングしやすい時代です。Instagramで発信するのもいいけれど、YouTubeのほうがヘアだけではなく、美容師の立ち居振る舞いや雰囲気も伝わるし、面白いんじゃないかなと思いますね。

 

 

まずは、美的感覚を刺激するものをたくさん見て、自分のモチベーションの源泉を見つけること。そして、自分の好きなこと、得意なことを極めてブランディングしていくこと。何事も0から1にするフェーズが一番大変なんだけれど、人と人とのつながりを大事にしていれば1から先はつながっていく。これはきっといつの時代も変わらないんだと思います。

 

 

プロフィール
RITZ

オーナー/金井 豊(かない ゆたか)

「スタジオV」勤務を経て、1992年に「RITZ」をオープン。サロンワークとともにヘアメイクアーティストとしてファッション誌、CM、広告等で活躍。現在はセミナーや講演なども行う、美容業界のオピニオンリーダーの一人。

 

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