NYの超高級ヘアサロンで売上1位! 予約700人待ちの美容師CocoOmoriの負けない心の持ち方

一流のファッションデザイナーたちが来店する高級サロンへ。アメリカではブロードライの技術がマスト

 

 

その後はNYの高級サロンを見学し、ビビッときたサロンに猛アタック。最初は断られましたが、粘り強く働きたいことをアピールし、2ヵ月後に就職することができました。

 

そのサロンはドナテラヴェルサーチさんや、ベッシージョンソンのデザイナーなど、ファッションデザイナーの方が多く来店する店です。私はドナテラヴェルサーチさんの専属ヘアスタイリスト、カルロスメルロという方の専属アシスタントとして働きました。カルロスは昔ながらのマリリンモンローのようなヘアから、アイロンを使った今どきのゴージャスなスタイルまで作られる方。アメリカではアシスタントでもブローの指名がもらえるので、間近で見ていたカルロスの技術を見よう見まねで練習し、それをブローで来店したお客さまに実践していました。そこのお店で働く誰よりもブローの指名をもらっていましたね。

 

アメリカの高級サロンで顧客を掴むにはブローの技術は必須です。日本人は乾かしただけでツヤが出る髪質なので、カット技術がうまければある程度は形になる部分もあると思います。しかし、欧米人やアフリカンな方たちはクセがあるためブローしたほうがかっこよく決まるんです。さらに、アメリカでは、歯と爪と髪の毛が美しくない人たちは、「それぐらいの社会レベルの人たち」「その程度の教養の人たち」と見られます。そのため、ブロー専門店があったり、週に2〜3回サロンでブローだけする方もいらっしゃるんです。そういう背景もあり、ブローだけでこられるお客さまがたくさんいらっしゃるので、そういう方々に「うまいな」と実感させられれば顧客になってもらえます。アシスタントでもブロー技術がないと、スタイリストにもなれませんし、スタイリストの人に使ってもらえないし、チップももらえないので稼げません。

 

NYの高級サロンは、上から下まですべてパーフェクトに決まっているスタイリッシュな方がたくさんいらっしゃるので、毎日が刺激的でした。「あんな綺麗なストッキングがあるんだ」とか、「この洋服のバランスすごい素敵だな」とか。アメリカでは自宅にお邪魔してヘアを担当する「ハウスコール」というサービスもあるのですが、インテリアも素晴らしいものばかりで、本当にいいものを毎日見ることができる環境でした。

 

NYの高級サロンをクビに。頑張っても、スタイリストにはなれなかった

 

 

アメリカでは、日本のようにスタイリストになるためのテストやルールがあるわけではないので、とにかくオーナーにアピールすることが大切です。私は、無休で毎日40ドルのヘアカットモデルを見つけてはカットしていました。

 

日本で3年間スタイリストをしましたが、NYではアシスタントからのスタートです。毎日カットモデルを連れてきて、週6日働き、休みも撮影。アシスタントとして3年間、無休で働いても前が見えない生活にストレスを感じていました。

 

あるとき、私がカットしたモデルさんのヘアスタイルがかっこいいからと、お客さまが来店されたんです。でも、アシスタントだからという理由で、ほかのスタイリストにお客さまを回されてしまいました。納得がいかず、オーナーに抗議しました。3年間懸命にモデルを毎日連れてきても、スタイリストにはなれないことや、私が綺麗だと考えるヘアスタイルがオーナーとは違うと思えてきていて、他のスタイルも学びたいこと。そんな気持ちをおオーナーに伝えると、まさかの「クビ」。「ここで学ぶ気がなく、チャレンジしたいなら、ほかのお店に行け」と言われてしまったんです。

 

「その店でトップスタイリストになる」という目標のために、3年間走り続けてきたので、その目標のためにも「どうにかしたら許してもらえるんじゃないか」と思い、何度も交渉しに行きました。スタッフも家にきてくれたり、マネージャーもオーナーと交渉してくれたりしました。ストレスで自分の言いたいことをぶちまけて、未熟者で本当に申し訳ないと思っていること、もう一回やらせてほしいことを手紙などでも伝えましたが、オーナーの考えは変わらず、結局、辞めざるをえませんでした。

 

オーナーは23時半まで練習に付き合ってくれたこともあったし、夜中の25時半まで撮影に協力してくれたこともありました。本当に一生懸命に私に教えてくれたので、クビという厳しい判断にされたのかもしれません。

 

>クビ、いじめ…。逆境を乗り越えてセレブ御用達の美容室で売上No.1に

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