死ぬ間際に思い出す「栄光の記憶」を、今この瞬間につくり続ける -suburbia 石川ヒデノリの習慣 前編-

お客さまの文句を言っている美容師は未熟

 

 

ペルソナ設計もきっちりやっています。港区・芝大門で暮らす36歳女性、テレビはあるけれど見ない、○○大学卒で両親の職業は……とかなり細かいところまでつくりこみました。僕はドン・キホーテで安いものを探している人ではなく、伊勢丹で買い物をする人に向けて、刺さる情報発信を目指しているんです。SNSのインサイトをみると、狙い通り30代女性のフォロワーさんが多いんですよ。

 

 

ちなみに、フォロワーさんが来店するとき、僕のことを先生って呼んでくれます。僕に対してリスペクトをしてくれているから、提案がしやすいですよね。僕の動画を見て、髪の知識をある程度持っているから、話も早い。よい意味での緊張感を持ってくれているから、予約時間に遅刻することもないし、全身ギャルソンでめいっぱいオシャレして来てくれるお客さまもいます。僕を信じて名古屋や仙台、鹿児島から飛行機できてくださる方も。一番感動したのは、高校3年生の女の子が大学の合格祝いを持って、僕のもとに髪を切りにきてくれたことです。1番高い3万円のコースを予約してくれていたんだけれど「そこまでする必要ないよ。残ったお金を別のことに使いなさい」と言いました。

 

 

おそらく僕が、だらしない格好で、ラフな発信をしていたら、ここまで素敵なお客さまに恵まれていなかったと思います。僕から言わせてもらうと「お客さまがダサい」とか「時間に遅れる」とかいうのは、美容師がしっかりしていないから。お客さまに文句を言っている美容師じゃダメなんです。

 

プロフィール
suburbia
代表 石川ヒデノリ

栃木県出身。地元の美容専門学校を卒業後、都内有名店に入社。ディレクター、トップスタイリストとして撮影やヘアショーなど多岐に渡り活躍。2006年夏、青山に4席の『suburbia』をオープン。”外国人風ヘア”を先駆けて打ち出したことでブレイクし、3年後に14席へ拡張移転。2019年3月、ビル1棟4フロアの大型ビューティサロンに移転。「カミカリスマ」2020年から4年連続受賞。

TikTok:@tokyokamimania
Instagram:@hidenori_hair

 

(文/外山武史 撮影/菊池麻美)

 

 

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