名ばかりの店長だった私の意識が変わった日—FAVORITE GARDEN 黒田沙織さんの「このサロンで働く理由」—

幸せそうなサロンには、きっと素敵な人が集まるから

 


齋藤が米子のサロンにいない時間が増え、自分が一番変わったのは目線だと思います。まず営業中もサロンの隅々まで見る意識が生まれました。スタッフがお客さまとどんな会話をしていて、どんな提案をしているかとか。仕上げやカットの仕方はどうだろうとか。もちろん今の私にはすべてが見えるわけではないですが、自分の仕事をしながらも他の人の仕事が目に入ってくるようになりました。齋藤はいつも私たちをこんな風に見ていたのかなと、ふと思ったりもしています。

齋藤とは立場も年齢も、キャラクターも違うので、齋藤がみんなに与える緊張感は、やっぱり私には出せません。でも同じじゃなくていいのかなと思うんですよね。私なりの緊張感と、明るい雰囲気でサロンを引っ張っていけたらなって。

一番大切にしているのは、サロン内にマイナスの空気をつくらないことです。だって幸せそうなサロンには、素敵なお客さまが惹きつけられると思うんです。そのためにもスタッフへの注意の仕方や、タイミングにはとても気を遣っています。マイナスな気分を引きずらないで、明るい気持ちで楽しくがんばってもらいたい。そのかいもあって今は自然と明るいサロンになっているように思います。


オーナーの不在が技術力見直しのきっかけに

 


齋藤がサロンを空ける日が増えたことは、自分の技術レベルを上げる機会にもなりました。齋藤のお客さまを引き継がせてもらったというのが、その理由のひとつ。齋藤と同じ、もしくはそれ以上のものを提供しないといけないので、普段以上に緊張しますし、細かく考えて施術を行います。齋藤の技術を改めて思い返したりしているうちに、自分の中でわかることが増えたし、もっと上手くなりたいという貪欲さも生まれました。

もうひとつは、私たちが後輩に技術を見せて、教えないといけなくなったこと。もともと自分が理論的ではないのはわかっていたのですが、あるとき後輩に「わかりにくい」と言われてしまって(笑)。わかりやすく伝えるにはどうしたらいいのか考えていく中で、最近になってやっと技術を理論的に理解するという意味がわかるようになってきました。これから育つスタッフは私の頃よりも、ディレクターの技術を間近に見て学べる機会が少ないと思います。そんなみんなのためにも教える技術をもっと磨いていきたいですし、他のスタイリストと協力してサロンのベーシックをまとめていきたいと考えています。

 

>「地元密着だけどデザインサロン」で働く、黒田さんの目指す美容師像とは?

 

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング