東京・高円寺発【美容業界の常識が変わり続ける中で、サロンはどう生き残るのか】商店街の一角で確かな存在感を放つカライング。創業から23年、畠山竜哉の変化と不変のストーリー
“デビュー=ゴール”ではない時代

−−教育やデビューの考え方も変化していますか?
変わりましたね。以前は「3年でスタイリストにしなければいけない」という意識が強かった。でも今は、そのスピードが必ずしも正解ではないと感じています。
うちはショートのお客さまが多いので、そこに対応できる技術がないとデビューしても意味がない。だから“デビュー=ゴール”ではなく、“通用するかどうか”を重視するようになりました。
ただ一方で、早く結果を出せる人もいる。そういう人は1年で100万円以上売り上げることもある。結局は個人差なんですよね。だからこそ一律の基準ではなく、その人の特性を見ながら育てていくことが重要だと思っています。

−−SNS時代の集客についてはどう見ていますか?
今は完全に流れが変わりましたよね。以前のように媒体だけで完結する時代ではない。個人が発信して、個人にお客さまがつく時代です。だからこそ、目の前のお客さまのニーズを「読める力」が必要になると思っています。
集客サイトで人気ヘアスタイルとしてランクインしているのも、お客さまからの投票によって決まっているので。お客さまのその時の気持ち、感覚を察してデザインしていくことが大事。その積み重ねが、結果として売上につながります。
若い世代が売上を上げやすくなっているのも事実ですし、それはすごく良い流れだと思います。高円寺という街に、若いお客さまが集まるようになっているのも、その影響は大きいでしょうね。

すべては“継続”の中にある
−−最後に、長く選ばれ続けるために必要なことは何でしょうか。
すぐに結果を求めすぎないことだと思います。1週間や1カ月で何かが変わると思って途中で諦めてしまう人が多いけれど、実際はそんなに簡単ではない。
僕自身、10年以上撮影を続けてきて、ようやく見えてきたものがあります。積み重ねることでしか到達できない領域があるんです。技術も、集客も、教育も、すべては“継続”の中でしか本質には近づけない。逆に言えば、それをやり続けられるかどうかが、サロンとして生き残れるかどうかの分岐点なんじゃないかと思っています。


- プロフィール
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畠山竜哉(はたけやま・たつや)
カライング(〜ing)代表
東京都・高円寺にてサロン「カライング」を主宰。原宿のサロンからスタートし、27歳で高円寺に自身のサロンを立ち上げる。創業以来23年にわたり第一線で活躍中。現在もプレイヤーとしてサロンワークに立ち続けている。また15年以上にわたって撮影を軸にしたブランディングを確立。特にショート〜ベリーショートのカット技術に定評があり、美容師からも支持を集める“知る人ぞ知るショートの名手”。
Instagram:@tatsuya_hatakeyama
(文/石田雅子 撮影/松林真幸 MIKAN inc)